「年を取ることについて、男性と女性、どちらの方が大きな問題だと思いますか」という問いに対し、グローバルは女性が33%、男性は15%。日本は、女性が15%、男性が25%です。日本は特に、男性の方が年を取ることに対する問題が大きいと考えているのです。

これは、妻に依存している男性が多いということでしょうね。

松浦:そうです、妻がいないと困ってしまう。具体的には、男性は「妻がいなくなったら、料理はどうすればいいのか」というように、年を取ることに対して精神的な問題を感じています。一方、女性は、健康状態など身体的兆候を問題視しているのです。

 そのうえ男性は、妻だけではなくて組織や会社にも依存しているんですよ。

会社がなくなったらどうしようと。

松浦:今回の調査でパネルディスカッションをした時も、そのように発言していた人がいました。企業に「会社がなくなったら生きていけない」という洗脳をされてしまっていて、それが解けきらないまま定年になって世の中に出てしまうから、その後、何をしたらいいか分からなくなってしまうんです。

 日本以外の国々では、そこまで自分を見失っていることはないのですが……。特に日本は、男性の高齢化に対する不安が強いのではないかと思われます。

会社退職後の自分がどう生きているかイメージできない、という感じですね。

松浦:そうですね。男性自身もそう思っているし、女性も男性に対してそう思っています。

気持ちは分かりますね。

松浦:このように、年齢に対するイメージや問題は、年齢でくくれるものではありません。実年齢という「数字」を取り払って「個人」と向き合うことで、本当の姿が見えてくるのです。

若い世代も年上世代も、お互い繋がりたいと思っている

松浦: 4つ目の原則は、「世代を超えたつながりを提供する」ということです。若い世代は、年上世代と繋がりたいと思っているんですよ。

意外ですね。

 年上世代が若い世代と繋がりたいと思っていることは想像しやすいのですが、意外にも逆もあるのです。だから、企業や社会は、年上世代と若い世代の間をもっと繋げるようなことができたらいいのではないかと思いますね。

 この説明の前に、「良い年の取り方」についての調査についてお話しします。世界のどこにいるかによって、良い年の取り方の意味が異なるんですよ。

 例えば、「良い年の取り方にとって重要な要素は何か?」と質問した時、日本は「十分な睡眠」という答えが多く出ました。非常に現実的でベーシックなものですね。一方で他国は、インドは社会的な尊敬、フランスは新しい話題や問題を学ぶこと、南アフリカは自らの信念……など、比較的漠然としたものなのです。

英国は「ユーモアのセンスを失わないこと」とありますね。

松浦:そう、各国、重視している点が大きく異なっているのです。

 それから、健康に年を取るために必要な要素として、世界各国に共通するテーマもあるのです。それは、「世代の違う人との繋がり」です。

 「良い年の取り方に必要なものは何か」という質問に対し、70%が「自分より若い人と時間を過ごすこと」、66%が「自分より年上の人と時間を過ごすこと」という結果が出ました。結構高い数字ですよね。