顧客像を設定し、目的重視の旅を提案

ターゲットを明確に定めてアプローチするということですね。

「ターゲットのライフスタイルまで分析して訴求することが重要」と話す宮崎主席研究員
「ターゲットのライフスタイルまで分析して訴求することが重要」と話す宮崎主席研究員

宮崎:そうですね。そうすると、一つはSIT(スペシャル・インタレスト・ツアー)のような明確な目的を持ったツアーが挙げられますね。

 例えば、徳島県の祖谷でアレックス・カーさんがプロデュースしている「桃源郷祖谷の山里」などです。何もない山奥の古民家で過ごす体験を提供するわけですが、「どの国の何百万人」といった大きなターゲットではなく、もっと細かなペルソナ(顧客像)を設定し、そこに向けたチャネルをしっかりと作ることで固定ファンをつかんでいます。

北海道のニセコなどもそうですね。

宮崎:ニセコは最初、スキーではなく、夏のラフティングをアピールすることから始めてオーストラリアの観光客が増えてきたのですが、その後に冬のパウダースノーも人気を呼び、スキー客が集まってくるようになりました。そのパウダースノーは海外のスキー雑誌に写真入りで紹介されたのがきっかけだそうなんです。そこに地元の町長などが目を付けて、パウダースノーを前面に打ち出して成功したんですね。

 このケースなどはまさにそうですが、誘客を旅行会社に頼ったり、旅行雑誌で大きく宣伝したりするのがいいのか、もっと絞り込んでスキー雑誌などで紹介してもらうのか。ターゲットのライフスタイルまで分析し、ふさわしい海外旅行をしつらえて提供するといったことが、これからますます重要になると思います。

タイの人気タレントが日本でロケをした映画がヒットしたおかげで、佐賀にタイの観光客が大勢訪れるようになったという話もありますが、もっとターゲットを絞って訴求した方がいいのでしょうか。

宮崎:そういうフィルムツーリズムのようなものがあっても全然構わないと思います。マスマーケットを狙ったものも、そうでないものも、両方あっていいと思うんですよ。ただ、地道なやり方がこれからは絶対に必要になってくるでしょう。

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