ビィ・フォアードは、現地に社員スタッフを置いているのですか。

山川:現地にはビィ・フォアードの社員はいません。どの国でも現地の協力会社と提携してビジネスをしています。現地のことは現地の人たちにまかせる方針です。協力会社のスタッフは、通関業務を行ったり、アフリカでの自動車の運搬を担ったりするほか、お客さんに責任をもって車を引き渡すという大切な仕事を担っています。

 アフリカですでに「ビィ・フォアード」のブランドは出来上がっているため、我々と取引したいという会社は多いのです。信頼関係を築ける会社を選んで業務をお願いしています。我々と商売すると儲かるので、信頼にそむくようなことはしない。また、お客さんからビィ・フォアードにクレームが入った場合は、当該協力会社を強く指導します。こうしたことを繰り返していますし、我々のシステムに則って業務をしてもらえるように日ごろから教育を行っているため、問題が起きることは少ないです。

東京・調布のビィ・フォアード本社には、各国の協力会社や顧客とのやりとりをする外国人社員が多く詰めている。約170人の社員のうち約50人が外国人。外国人の国籍はアフリカ諸国を中心に、26カ国に上る。

自動車販売以外の商品の取り扱いにも乗り出す

これからは何を目指しますか。

山川:今、我々が取り扱っているのは中古自動車や自動車関連部品が中心ですが、今後は自動車以外の優れた日本製品のアフリカへの輸出にも取り組みたいと思っています。日本製品ならアフリカでは中古でも歓迎されます。そのときに我々の持っている強みが生かされます。我々の「強み」とは、3つあると自己分析しています。「ECサイトの集客力と圧倒的な知名度」「アフリカにおける物流力」「資金回収力」です。これらは我々が一つひとつ構築してきたもので、一朝一夕にはほかの企業に真似できないところです。これらのインフラをフル活用すれば、自動車だけでなくほかの商品でもアフリカのお客さんたちに届けることができると考えています。

「知名度」「物流力」についてはお聞きしましたが、「資金回収力」とはどういう意味でしょう。

山川:我々のECサイトでは、ネット上で課金するのではなく、米ドルでの料金先払いという仕組みを採用しているのです。アフリカで商売をするにはこれはとっても有利なのです。

 アフリカの個人のお客さんはクレジットカードを持っているわけではないので、クレジット会社にリスクをとってもらってネット上で課金することはできないのです。しかし、代金の後払いを採用して、遠いアフリカまで焦げ付いた代金を回収にいくわけにはいきません。このため、2009年から料金先払い制を導入しています。誠実な商売をするビィ・フォアードの信用があったからこそできたことです。このため我々は代金の回収で悩むことはありません。この仕組みは、自動車以外の商品の商売をするときにも大きなアドバンテージになるはずです。

自動車以外の商品についても、ビィ・フォアードは独力で取り組むお考えですか。

山川:もちろんほかの企業さんとの提携も視野に入れて、ですね。例えば、大手企業のアフリカ進出をお手伝いするとか、我々の物流網を通じて商品を安く輸送するということも可能です。我々は年間に7万3000台という規模でアフリカに輸出しているので、自動車を積み込んでいるコンテナに、ほかの商品を合わせて積み込むスペースがかなりあるのです。そのスペースを利用すれば、効率的に、速やかに、破格の運送費で商品を運ぶことができます。物流拠点となる港もケニア、タンザニア、モザンビークなど多様です。

 実際に多様な企業からアフリカビジネスについて協力の依頼がきますし、アフリカ進出のコンサルティングもすでに行っています。アフリカだけで約60万人の自動車ユーザーや自動車部品の顧客名簿がありますから、テストマーケティングも我々の得意分野です。

 幸いあのアマゾンドットコムでさえも、アフリカではまだ流通網は持っていません。アマゾンのビジネスの中心は先進国です。一方、我々はアマゾンの持っていないアフリカでの流通網をすでに築いていますから、このアドバンテージを利用して「アフリカのアマゾン」になるのが我々の目標です。アフリカビジネスに打って出るならまさに今がベスト。我々もいっしょにビジネスができる企業さんとは提携していきたいので、お声がけいただけたらうれしいです。