前向きな議論に期待

一般的には、株主提案では企業側のほうが有利だと言われます。

石田:これまで、日本では会社側が圧倒的に強かったことは事実です。ただ、米国では年間30~40のプロキシファイトが起きていますが、驚くべきことに、過半数で株主側が勝利を納めています。「勝つ」というのは、1人でも取締役会に送り込むか、途中で会社側が譲歩して提案を受け入れるなどを意味します。

日本でもそのような状況が訪れるでしょうか。

石田:取締役の選任案で株主側が勝つことはまだ簡単ではありません。それでも最近では、配当増の株主提案などでは、保守的な投資家も賛成に回り始めているのではないでしょうか。例えば配当が20円で配当性向が8%の会社に対し、配当30円、配当性向18%にすべきという提案があれば、反対する理由を見付ける方が難しい。

 取締役の選任案という「ヒト」に関してはいろいろな要素が関係するので簡単には賛成できなくても、配当増のような株主提案などは賛成する株主が増えるのではないでしょうか。

日本では株主提案と言うと、会社側と株主が激しく反発し合うケースが目立ちます。

石田:「どう見ても株主にとっていい議案がなぜ可決されないのか」と不思議に思う海外の投資家もいます。株主が良い提案だと思っていても、会社側が最初から「反対ありき」でスタートしてしまうと、情報を持っているのでいくらでも反対できる。

 それを受けて株主が再び提案しても、また反対。そんなことを繰り返していては、少数株主がしらけてしまいます。「日本版スチュワードシップ・コード」や「コーポレート・ガバナンス・コード」では、「建設的な対話」を重視しています。株主提案がそうしたものにつながっていくことを期待したいですね。

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