南川:センサーに求められるのは、情報を集める機能。省エネ性能や通信の安定性、小型化などが重視されます。集めたデータはクラウド上にあるサーバーに集約され、そこで一括して処理されるため、センサーでは最低限の計算能力があればよい。

 すると、アナログやパワー半導体、ディスクリートといった、ある面で「枯れた技術」をどう組み合わせるかが、勝負を左右することになります。実はここに、日本勢の生きる道があるのです。

土俵が変わる今こそチャンス

日本の半導体産業は一部の例外を除き、競争から取り残されているイメージがあります。

南川:いわゆるパソコン産業、スマホ産業が今後も成長し続けるなら、日本の半導体メーカーが復活する目はないでしょうね。CPUではインテルに圧倒的な差を付けられてしまった。巨額な投資が必要なメモリー分野では、東芝以外は勝負できないでしょう。いったん撤退した企業が再参入するのは現実的ではありません。

 しかし今、IoTによって競争の土俵が変わろうとしているのです。産業機器や自動車では、半導体の使い方や求める機能ががらりと変わる。パソコンやスマホ、テレビ向けではどうしようもなかった日本勢にチャンスが巡ってきたのです。

 パワー半導体では三菱電機や富士電機が強く、アナログ半導体やLEDでも存在感のあるメーカーは複数ある。やり方次第では、今からでも世界で十分戦えます。ただ問題は、日本勢の企業規模が小さいことです。今残っている半導体メーカーがバラバラに戦略を考えていては上手くいかないでしょう。

 幸いにして、日本には強い電子部品メーカーが多く存在します。そして電子部品の製造方法が、どんどん半導体に似てきました。小型化を追求するために、半導体の製造装置を導入したりエンジニアを雇ったりする動きが出始めました。

 世界一強い電子部品メーカーとタッグを組み、IoT向けに特徴ある製品を供給していく。メカニカルとエレクトロニクスを融合することを「機電一体」と言います。ロボットなどが典型ですね。これこそが日本の半導体メーカーの生き残る道だと思います。