酒とタバコへの愛着は、AIには理解できない

杉田さんが大学生に戻って就職活動をやり直せるとしたら、どんな仕事を選びますか。

杉田:学生の多くは、絶頂期を迎えている企業や、ピークから落ち始めている産業を選びがちです。まともな判断でないのは明らかですが、私も同じことをするかもしれません(笑)。

 もしアドバイスができるのならば、私も含めた「お年寄り」には理解できない世界を選べと伝えたいですね。既存のビジネスモデルを改善したり、製品を磨き上げたりする領域では、経験や蓄積が役に立ちます。しかし、AIやデジタルといった過去の常識が通用しない分野を選べば、若者特有の感覚を武器にできます。そうすれば、成功の可能性は高まります。

 もう一つは、人間の感性やエモーションに訴える仕事です。当分の間、AIと競争せずにすむからです。

 人間が酒やタバコを求める理由を、近い将来、AIが理解できるようになるとは思えません。高級ブランドや化粧品では、高価であればあるだけ売れ行きが伸びるという現象が起きますが、これもAIには理解できません。当たり前ですよね。人間だってその感情を合理的に説明できないのですから。

 理屈や数式で表現できない分野では、AIは人間を超えられないでしょう。そうした仕事を選べば、今後も勝負できると思います。

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