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宝くじが当たった結果、固定費が上がって「かえって貧困化」しかねない、というわけですか。だったら、いっそのこと1億円持って引きこもったらどうでしょう。ムテ金庫(設備・施設自体に固定された金庫)に現金を入れて、仕事はせず、高級品は一切買わず、旅行もしない…。

:そんな風に、大金が入った勢いで仕事を辞めてしまったりすれば事態は一段と深刻になります。まずこれまでも話したように、1億円は使い始めると想像以上の速さで減っていってしまう。

 それに、労働が私たちに提供してくれているものはお金だけじゃないんです。啓蒙主義を代表するフランスの哲学者、ヴォルテールはかつて「労働はわれわれを三つの大きな悪から逃れしめる」と言いました。悪徳、欲求、退屈です。

前の2つは分かりますが、最後は退屈ですか。

:そのくらい退屈というのは人生にとって辛いものなんです。宝くじを当てて仕事を辞めてしまえば毎日、その退屈と向き合わねばならなくなる。

そういや、『ギャングース』のカズキや安達も似たようなことを言っていました。「カネを貯めようと必死になっている時は楽しかったのに、一生かけても使い切れないカネをいざ手にしてしまうとつまんない」って。なるほど、宝くじは「人生のやる気を失う」ことにも繋がりかねないわけですか。ならば、起業は。起業なら暇にはならない。。

馬連6000円の配当でも動悸。いわんや1億円をや

:宝くじで得た資金で事業を始めるなんて最もハイリスクな選択です。飲食店に行っても3億円分は一生かけても食べきれない。でも誤った経営により3億円を失うのは容易にありえることです。晴耕雨読の日々を過ごすのも、起業で第2の人生にトライするのもそれ自体は全く悪いことではない。でもそのためには入念な準備が必要で、宝くじの当選をきっかけに始めることではない。アーリーリタイアも起業も冷静な判断と緻密なプランが欠かせません。でも、人はたとえ少額でも、急に不労所得を得ると冷静ではいられない。身に覚えはありませんか。

そういえば、先日7レースで6千何ぼの配当を馬連で当てて、着順確定するまで動悸が止まらなかった。いや、久々の高配当だったんで力が入っちゃって…………などと友人が言っていました。でも、そうなってくると、結局、宝くじで1億円当てちゃったらどうすればいいんでしょうか。