日高:そうそう。アメリカ人だろうが、ヨーロッパ人やアジア人だろうが、相手の話を聞くし、おかしいと思ったらそう言うし。住むことについても、奥さんがすぐ現地に同化して、旦那が慣れないとか、そういうパターンを結構見聞きします。
これは私の偏見かもしれないけれども、日本人は男が何か構えてしまいますね。「私は英語が苦手ですから」みたいな。それが悪いほうへ行くと卑屈になってみたり、怒ってみたり。
その一方で、これは私からすると不思議なのですが、明らかに能力があっても欲がない女性が多くありませんか。「いや、それはもう絶対やりたくありません」と言ったりする。
家庭のことや子育てで忙しいというのなら分かります。ところが、そういうわけでもなくて、でも大きい仕事が来ると「とにかく私はまだやらなくていいです」と断ってしまう。能力があるのにもったいないと思うのですが。
平林:それはおそらく、彼女の考えをもうちょっと聞いてあげると違ってくると思います。やはり、組織や上が女性に意見を求めていない面があったりする。そこまで踏み込んでないというか。そうすると女性のほうも「じゃあ、いいです」となってしまいがちです。
ただ、おっしゃる通り、それでは次に行けないですし、お互いにもう一歩、踏み出せるといいですよね、融合に向けて。お互いに共通地帯に入ってみると何か見えてくるのではないでしょうか。
英語の力を伸ばせた理由
日高:そこで女性エグゼクティブとして先輩格である平林さんのキャリアについて伺いたいのですが。CIOになられたのは2008年でしたか。

西友 執行役員SVP 情報システム本部・GBP・PMO
1983年立教大学文学部卒業後、西友に入社。店舗、商品部を経て1999年情報システム部門へ異動、2008年より同社CIO、2013年より現職。
平林:はい。2003年の夏に初めてウォルマートの店舗システムを日本に入れまして、そこから2007年まで店舗のシステムを全部取り換えて、その後も順次ウォルマートのシステムを入れてきました。
並行するように私自身は2003年にダイレクターという役職になって、2008年にCIOというバイスプレジデントのポジションになり、2013年からはGBP(グローバルビジネスプロセス)とPMO(プログラムマネジメントオフィス)という、より業務寄りの部門も見るようになって現在に至ったと、こういう流れです。
日高:どうして仕事がこなせたと思われますか。言葉の問題1つとっても、ある程度英語ができないと通じないですよね。
平林:実は学生時代、英語は苦手ではなくて、大学生のときには3年間ほど、英語の塾の先生をしていました。
日高:それはすごい。
平林:いえいえ。いわゆる受験英語ですから。ただ、読み書きは比較的できたのですね。
日高:英語に興味があったのですか、その当時から。
平林:興味があったというより、英語塾の先生が自分にとっては一番身近なアルバイト、つまり遠方に行かなくて済むとか、それまでの知識でこなせるとか、そういうものだったからです。だけど、すごく好きだったというわけでは…。
日高:海外に対する興味はいかがでしたか。もともと持っていたとか。
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