東京・豊洲にあるキッザニア東京では、中学生向けの特別プログラムを不定期で提供している。写真は資生堂によるスキンケア講座

吉田:企業として、社会の問題にアプローチしている姿勢がいいですね。全員が同じことをするのではなく、分担して社会を作っていくことが大事です。

 私は富山県の黒部という人口4万人以上の地方都市にいます。ここでの生活・社会を夢のパークにしたいと思っているのです。高齢者もいれば若者もいる。ある年齢まで仕事ができて、遊びの機会もある。そのためには社会全体がバランスよく組み立てられていないと難しいので、もっと楽しい街を作りたいと考えています。

ロペス:高齢化については、日本がメキシコよりも進んでいます。メキシコは別の問題も抱えています。高齢者や障害がある人を、家族が家に閉じ込めて外出させないようにしているのです。

 そこでキッザニアは、微力ながら2つの課題に取り組んでいます。1つは高齢者の雇用。その数は従業員2000人のうち10%を占めます。ただ、メキシコには高齢者の就労をサポートする仕組みがないので、働いてくれる人を探すのには苦労しました。障害者には入場を無料としています。キッザニアの中で健常な子供と障害児が交流し、皆が同じような経験してほしいと思っています。

吉田:キッザニアが実社会でいろんな役割を担い始めているのですね。子どもだけでなく、人生の大半を過ごしてもよいような…。それではキッザニアではなくなりますね(笑)。

 誰かがサンプルとして、良いことを始めないといけない時代なのでしょう。集団や個人が始めた良いことが展開されることで、社会が変わっていくだろうと期待しています。

ロペス:その通りですね。私たちキッザニアには「良いことをする」という長期的目標があります。

 長期的な目標がなければ、利益面などで短期的な目標を達成することはできない。少し成長できても、すぐに止まってしまいます。従業員が良いことに取り組むための教育などに投資できている企業はまだ少ない。今すぐ出る結果を出すことばかりに集中しています。こうした状況を変えなければ、10年後には、ほとんどの会社が事業を継続できなくなると思います。

 キッザニアは若い会社ですが、より良い世界を構築することにコミットメントしている。それを達成することが、我々のミッションだと考えています。