企業が始めた良いことが社会を変える
吉田:YKKは製造業で、ものづくりで価値を生み出すことを基本にしています。時代とともに材料や技術は高度になっても、その基本は押さえておかないといけない。こうした価値を分かってもらえるように、子どもたちや社会に発信していきたいと思います。
ファスナーは1891年に米国で誕生しました。靴の紐を結ぶのが嫌だった人が生み出した発想が起源になっています。スライダーとエレメントとテープで面白い動きをします。こうした構造は早くになくなるだろうと思っていましたが、いまだに変わっていないんですよ。


ロペス:実はキッザニアで、一番ポピュラーなアクティビティーが製造業なのです。手を動かして、ポテトチップスや飲料を製造するなど、自分の努力が商品になる。しかも、それを持って帰れる。そういう喜びをなくしてほしくないですね。
今の子どもが将来に就く仕事の多くは、今はまだ存在しない仕事と言われています。だからどんな仕事が出てくるか、我々もわかりません。技術の変化が目まぐるしい中で、コミュニケーションや論理的な思考が大事です。また、技術や数学、英語など特化した教育に力を入れる中でも、忘れてはならないのは芸術などその他の分野です。様々なオプションを子どもに与えて、本当に自分が必要としているのは何なのかを見いだしてもらう。大人は、押し付けるのではなく、それをサポートするのだが役割だと考えています。
キッザニアは、新しい職業を取り入れています。コンピュータープログラミングやアニメーションスタジオでの仕事、3Dプリントに関わる仕事などです。最近は事業家になりたいという子どもが増えてきたので、事業家養成プログラムを導入したところもあります。自分が会社を設立して、社会に貢献できるということを教えようとしています。
社会貢献は、もらったものを返すという視点です。機会は全ての人に平等にあるのではありません。キッザニアは、得た収入をパートナー企業を介して恵まれない子どもに寄付するなどしています。
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