さらに子どもには良い価値観を与えるということ。時代がどんなに変わっても、変わらない価値観を子どもと一緒に考えて、選んで、学びに取り入れています。

キッザニア創業者のハビエル・ロペスCEO(写真:秋元忍)

親が楽しんで働く姿が大事

吉田:日本には「親の背中を見て育つ」という言葉があります。仕事に対する親の姿勢は子どもに伝わるので、いかに楽しんで仕事しているかを子どもが幼いうちから見せておくことが、人格形成の上で非常に大事だと思います。

ロペス:私もそう思います。キッザニアは教育者になるつもりはありません。既に家庭と学校がありますから。我々はこれらと対立する気はなく、これらを補填する存在でありたいと考えています。

 キッザニアの特徴は、楽しみながら、そして実行しながら学ぶことです。楽しんでいるときこそ、学びは速いのです。

 もう1つ大事なことは、子どもの独立性です。キッザニアは、全ての判断は子ども自身にしてほしいと思っています。子ども自身が「これをやりたい」と決めて、親は「うちの子はこんなことに興味があるのだな」と気づく。親は、科学や芸術など、子どもが持つ好みや傾向を幼い時から把握することが大事です。

 親の役割を見た時、日本のキッザニアは、他の国と異なる特徴があります。それは親が子どもを率先してキッザニアに連れて来ている点です。キッザニアの価値を理解しているので、自分の時間を投資して、子どもを連れていくのでしょう。

吉田:私には4人の娘がいます。小さいころから楽しく育てようとしてきました。同じ環境で育てていても、それぞれが持つ興味・関心は違います。それが本当にその子の好きなことなのか、辛抱強く見ていないと分かりません。子どもが幸せになるために、アドバイスしたり、何かを見せたりする。そういった習慣は、コトラーの言うマーケティング理論につながると思います。

ロペス:多様な選択肢を与えると、子どもはさらにより良い機会に恵まれます。

 キッザニアが色々な国に進出していく度に、学びがありました。最も大きかったのは、自分たちだけでやろうとしてはいけないということです。キッザニアは各国の企業と組み、そこから地域の特性、ビジネスマナーを学んでいます。

 ロールプレイというコンセプトはユニバーサルなもので、子どもが本能的に楽しめるものだと考えています。しかし、国によって体験させるパビリオンは異なり、各国に特化した業界の企業を入れています。例えば、同じレストランでの就業でもメキシコにはタコスのレストラン、日本ではすし屋といった形です。その国や地域との融合を重視しています。