若い先生は「お金=汚いもの」と感じていない

先生の意欲はどうですか。日本では、お金の話を学校現場ですることがネガティブにとらえられることもあります。

布川氏:たしかに昔は、「学校に行かされたのでとりあえず来ています」という雰囲気がありました。ですがここ2~3年で意欲が高まっているように感じます。研修は2泊3日の長丁場で、今年は1コマ1時間でプログラムを組みましたが、次の休憩時間まで質問している先生もいました。

 当社の研修に参加されているのは、だいたい30代半ばの先生なので、「お金の話をするのはよくない」といった意識は徐々になくなっている気がしますね。むしろ正確な知識に基づいた有意義なお金の使い方など、そういう教育が必要だと感じる人が多くなっています。

 研修では、経済の一連の流れを中心に説明します。企業の業績はどのような要因に左右されるのか、それが株価にどのように反映されるのか、などです。その中で投資の役割や、株式や債券、投資信託などについて説明します。先生たちの金融知識レベルはまちまちですが、総じて自信がないという人が多いです。

テクノロジーの発展もあり、金融教育のあり方も変わってくると思います。今後必要になってくる金融教育は何でしょうか。

川那部氏:うーん、いろいろと考えてはいますが、難しい問いですよね。

 ただ1つ言えるのが、成人年齢の引き下げが転換点になるのでは、ということです。成人年齢が引き下がるというのは、突き詰めれば、契約社会にこれまでよりも早く入るということ。契約がどんどんできるというのは、自己責任が生じるのが早くなるということです。フィンテックの発展もあり金融がより身近になってきています。手軽さが増すにつれてリスクについて深く考える機会が減ってきているのかなとも思います。手軽さに流されるのではなく、ある程度のところで立ち止まって、自分がしていることの本来的な意義やリスクを考える必要があります。

クラウドファンディングなども出てきて、個人がより簡単に資金調達できる時代になってきています。良い側面だけでなく、リスクもきちんと理解しておいた方がよい、と。

川那部氏:そうですね。クラウドファンディングは良い面もありますが、集めたお金に対する説明責任もありますよね。金融業界にいる人間にとっては当然のことですが、メリット・デメリットがあることをきちんと理解したうえで利用する必要があります。 

■変更履歴
本文1ページ、3段落目中で「債権」としていましたが、「債券」の誤りでした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。[2018/10/23 11:30]
経営企画部SDGs推進室の布川氏(左)と川那部氏

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