小売りもさらに拡大。ファッション業界とも売り方を検討
アマゾンのサイト内で買い物を完結できるわけですね。一方、アマゾンはこのところ、ホールフーズを買収するなど、リアルな小売りとの連携を模索しているようにも見えます。この点をどう見ていますか?
ホワイト氏:確かに、ホールフーズを買って、生鮮食品も手掛けるようになり、コンサートのチケットや医療保険など、さらに扱う商品の幅を広げています。
アマゾンが消費者に関わる業界すべてに興味を持っているのは明らかです。すでに日用品などの分野で自社開発の商品も販売しています。
ただ、現状、アマゾンはクラウドサービスなどを手がけるAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)、広告事業のAMS(アマゾン・マーケティング・サービス)で収入を得ているので、物販での利益に頼る必要はないのです。そのため、小売りについては、強い競争力を持つことができます。
ちなみにアマゾンとホールフーズに関しては、相乗効果があるとみていますか?
ホワイト氏:プライムメンバーの大半がホールフーズ店舗の1マイル以内に住んでいるとも言われます。ホールフーズは物流センターとして機能することも可能でしょう。たとえば、調理用に準備された食材なども届けることができるでしょう。
一方で、アマゾンの買収直後にホールフーズは商品の値下げもしています。
ただし、生鮮食品については、食材の販売を手がけるアマゾン・フレッシュのサービスは苦戦しているようです。
アマゾン自身はリアルな売り場に進出することで、消費者との接点を求めていると思いますか?
ホワイト氏:彼らは過去にも書店を開いています。食料品を扱うホールフーズを買収し、さらに質のいいサービスで知られるノードストロームを買収するのでは、との噂もあります。
米トイザらスのように、アマゾンの影響で閉店に追い込まれたとされる店もあります。一方で、洋服など、アマゾンが強いとはいえない業界もあると思いますが、今後は変わっていくでしょうか。
ホワイト氏:ファッションに関しては、すでに数十の大手ブランドがアマゾンで売るために何をするべきか、アマゾンと話し合いをしているようです。アマゾンはブリック&モルタルを考えていますが、完全な解には至っていない、ということではないでしょうか。一方で、広告分野は大きく成長していくでしょう。

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