技術を市場で取引

技術取引所はどのような仕組みですか。

米山:中国政府の科学技術部などが関与する半官半民の組織が多いです。大学が技術のシーズを、企業が技術のニーズを登録。取引所はこれをマッチングします。契約が成立すれば、企業は大学に契約金を支払う。

 技術取引所などの仕組みを通じて成立した技術取引の推移を見ると、2016年には大学全体で1590億円の収入を得ました。1位は清華大学で182憶円。2位以降は西南大学(91憶円)、四川大学(47憶円)、東北大学(28憶円)、浙江大学(28億円)と続いています。

中国の大学別技術移転契約金額ランキング(2016年)
出典:2016年高等教育機関科技統計年鑑を基に作成。 契約金額は購買力平価による計算である。
出所:科学技術振興機構

経済成長したら、それを上回る科技資金を

このようにイノベーションを生み出すうえで重要な役割を果たしている中国の大学がさらなる拡大を続けているのですね。

沖村:はい。2008年に2000校を突破 。2016年には2880校に達しました。大学生・大学院生の数も増えており、2016年にはそれぞれ2695万人、198万人に達しました。

膨張する大学
出典:「平成28年度学校基本調査」、「中国統計年鑑」2005~2017をもとに作成。
出所:科学技術振興機構
急増する大学生と大学院生
2016年高等教育就学率は、40.0%。教育部目標2020年43%。
2016年の大学生数は2696万人、日本の10倍以上。
出典:「平成28年度学校基本調査」、「中国統計年鑑」2005~2017年をもとに作成。
出所:科学技術振興機構

 これらの増加は政策が促している面もあります。教育部は大学進学率を2020年に43%(2016年は40%)に引き上げる目標を掲げています 。これを実現するため大学そのものを増やす必要があります。

 ちなみに日本は、大学の数も学生数も漸減傾向にあります。2016年現在で大学は1118校、大学生256万人、大学院生25万人です。