フィリピンではオイスターソースを主軸に

唐揚げ粉に加えて、最近ではどんな商品に注力していますか。

和田氏:「SARSAYA(サルサヤ)」というオイスターソースに力を入れています。16年10月に発売し、まだ2年も経っていませんが、市場で3番目のブランドに育っています。シェアは10%を占めるまでになりました。

 フィリピンではオイスターソースの消費が伸びています。14年に調査したときは2割の家庭しか使っていませんでしたが、17年には3割に上昇していました。かつての日本でもそうでしたが、フィリピンも以前はしょうゆや酢、塩といった調味料が一般的でした。最近では経済発展に連れて、より多様な調味料を使うようになってきています。オイスターソースは伸び盛りの調味料なのです。

 フィリピンでは、基礎調味料はサルサヤを軸に発展させていく方針です。味の素は、オイスターソースのもとになるオイスタージュースをグループ会社から仕入れています。品質が高く、おいしい点が他社と差別化できる点だと思います。

中央の袋状の商品がサルサヤ
中央の袋状の商品がサルサヤ

1年半でシェア3位まで順位を上げた販売戦略は。

尾崎氏:まずは、徹底的に商品を露出させました。テレビCMを打ち、さらに消費者がどこでも買えるように店舗にくまなく並べたのです。

 最初だけ露出させても意味がありません。その後も店頭で継続的に露出するよう気を配りました。棚の中で顧客の目にとまり、商品を手に取りやすい位置に置くことなどを徹底しました。

 さらに、CMに登場するタレントの起用を現地スタッフに任せました。彼らの方が、どんなタレントを起用したら「フィリピン人に好意的に受け止めてもらえるのか」、「商品のイメージに合うか」といったことを理解しています。店頭には、そのタレントのポスターやポップを置き、「CMで見て、店頭で思い出す」という流れをつくりました。これが、躍進した理由の一つだと思います。

味の素は、ある国や地域で商品を展開する際、うま味調味料である「味の素」から始めて、徐々に特定の料理用の調味料やスープなど付加価値の高い商品を拡販していく方法をとっています。フィリピンでも、高付加価値の商品を販売する段階にきたということでしょうか。

和田氏:そうですね。サルサヤは1回の調理で30gほどを使いますが、その価格は5ペソ(約10円)です。塩など普通の調味料の場合、1回に使用する量の価格が2~3ペソ程度であることを考えると、サルサヤはちょっとした贅沢品です。フィリピンでは、なかなか高付加価値の商品を展開できていませんでしたが、今後はサルサヤを中心とした付加価値の高い商品を推進していきたいと考えています。

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