ダイソン氏はエンジニアの育成に力を注いでいる

エンジニアリングはエキサイティングだ

最近は、エンジニアの育成にも力を注いでいますね。以前、英国の若者は金融業界にばかり就職しようとして、エンジニアリングは人気がないと嘆いていました。財団を通じてエンジニア教育を支援しているほか、英王立芸術大学院(RCA)の学長も務めるなどエンジニアリングを奨励しています。

ダイソン  英国の問題は、十分なエンジニアを輩出していないことです。そのため、若者がエンジニアリングに興味を持つように、奨励していくことが大切です。財団や大学での活動は、そのためです。しかし、まだ十分ではなく、道半ばです。

 日本も、英国と似たような問題を抱えているのではないでしょうか。潜在力はあるのに、エンジニアリングへの関心は低下しています。

 今年3月、日本でジェームズ ダイソン財団ジャパンを立ち上げました。これまでも、「ジェームズ ダイソン アワード」を通じて、日本を含め世界中から優秀な若いエンジアの発掘をしてきたほか、中学校の先生と協力して問題解決のワークショップなどを展開してきました。こうした活動を、さらに積極的に展開していくつもりです。

 我々は、もっと多くの人にエンジニアリングの世界に進んでもらうように活動しなければなりません。金融業界ではなくてね。

 ただし、若者の関心をエンジニアリングに向けるのが容易ではないことも理解しています。ソーシャルメディアもテレビも映画も、エンジニアリングの素晴らしさを映し出していません。エンジニアリングは、テレビ受けもしないし、ソーシャルメディア受けもしないからです。そうした状況では、簡単にカネ儲けができる金融業界に若者たちが進もうとしても、不思議ではありません。

 エンジニアリングが、いかにエキサイティングなことか。技術や製品を開発し、問題解決に取り組んでいくことが、いかに素晴らしいことか。そういうことを、何とかして若者たちに伝えていきたい。だから、今回開発したような全く新しいヘアドライヤーのような製品が世に出ていくことが、若い人たちにエンジニアリングやデザインの素晴らしさを伝える、いいきっかけになると期待しています。