そうして、クライアントの根幹であるデータを扱い、顧客企業にとってのお客さんの理解が進めば、我々もより上流の戦略を考える領域へと入り込んでいけるのではないかと考えています。
広告代理店も、顧客企業にとって、パートナーになっていかなければいけません。従来の広告代理店の仕事はあくまで枠の調達係にすぎない。それだけでは、収益性は下がる一方です。電通デジタルでは、より付加価値のある領域で収益を上げることを目指します。
データが武器になりますから、データを扱う分野を最も強化します。そこでできた事業モデルや知見は、電通本体にも戻せると思います。そうして、我々と広告会社を兄弟会社として運営していくことが、新たな勢力に対抗する、手段だと思っています。データを生かしたコンサルティング会社と、クリエイティブに強い広告会社、この両方を持っていることが強みになるはずです。
総合広告代理店の営業担当は、デジタルの知見が乏しく、デジタルマーケティングにおいては、素人になってしまっているという指摘もあります。
コンサルタントのチームで対応していく
大山: 電通デジタルは電通とは別会社になるので、フロントに立つのは電通の営業担当者ではなく、我々のコンサルタント自身です。顧客企業のニーズに合わせて、専門分野のコンサルタントがチームを組んで、対応します。例えば、EC事業者において獲得とCRMの強化が課題であれば、各領域のコンサルタントを選んでチームを組むことになります。既に、大手自動車メーカーや大手移動体通信会社に常駐して、コンサルタントとしてフィーをいただいています。
電通の営業体制は大量仕入れ・大量販売のモデル。多く抱える売り子が、買い切った大量の広告枠を日本全国、どこでも売れる、だから電通は強い。そういうモデルでした。ですが、成果が出なければ首を切られてもいいというコンサルティングの仕事は、事業モデルが全く異なります。電通デジタルでは、当初は100社をめどに、きちんと成果が出せる顧客企業に絞り込んで向き合い、コンサルティング会社として成果を出していきたいと考えています。
Powered by リゾーム?