ものづくりに興味があるか、疑問に感じるノートとは

次の社員のノートは…。今までと違って図面が多いですね。

諏訪:実はこのノートを書いた子には、入社から1カ月の試用期間中に「ものづくりに向いていない」「ダイヤ精機に合わない」と感じ、「他の仕事を探した方がいいと思う」と伝えて退社を促したんです。ノートにもそれが表れていると思います。

 作業工程すべてを図入りにして、1~20まで箇条書きにしていますね。ノギス(測定器)に至るまで、定規を使って描いているぐらいで、とにかく、ものすごく細かい。きっちりしていると言えばきっちりしているんですけど、作業の本質でないところに気を取られています。「本当に加工に興味があるの?」と疑問に感じてしまいます。

図面を描いたり、作業を箇条書きにしたり、「お勉強」に熱心なタイプなのでしょうか。

諏訪:まさにそうだと思います。感想を見ると「今日は加工だけでなく図面記号の意味を教わる機会があって良かったです」と書いている。現場で加工している人間からすると、正直、どうでもいい感想です。全く意味がない。本当に加工が好きなら、「こういうものを加工したけど、まだうまくいかない」とか「昨日より少し進歩した」とか、そういう感想が出てくると思うんですよね。たぶん、彼は現場で加工することより設計など「描く」仕事の方が向いているのでしょう。

彼の能力や興味に合う職場はほかにあると。

諏訪:設計だったら大成するタイプだと思いますよ。真面目だし几帳面だし。そういう意味ではダイヤ精機にいるのはもったいない。興味の方向性が合わないから。一人ひとりを見た時に、ダイヤ精機に合わなければ、新しい道へと導くことも大事なのではないかと思います。

興味の方向性が違うままで雇用し続けると、社員の側に「自分はこんなに頑張っているのに、会社は評価してくれない」という不満が出てしまうかもしれませんね。

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