本田選手は以前「アメリカのメジャーリーグ・サッカー(MLS)は将来世界一のリーグになる」というコメントをされています。MLSに経営者として新しいプロクラブの参入ということも考えられていますか。

神田:具体的にはまだ何も進んでいません。ただそれは彼の長年の夢でもあり、アメリカにも拠点を置いたというのは、そういった理由からです。確かにアメリカは暮らしやすい環境ですし、将来住んでみたいということも含めて候補として考えています。

仮にアメリカにプロチームを持つということになると、まずは本田選手がアメリカでプレーをするのが戦略としていいと思います。MLSには日本人選手のニーズもありそうですし、フィットするのも難しくないと思います。

神田:その通りだと思います。キャリアのどこかではアメリカへ行ってアメリカのサッカーと日本のサッカーをつなぐパイオニア的な存在になってもらいたい。日本人選手としてMLSを盛り上げて、全米で地位と知名度を上げておけば、その次のステップの時にものすごくスムーズに進むと思います。なので、いつかはアメリカでプレーしてほしいです。本田本人も将来「世界一のサッカー組織」をつくるにあたって、アメリカでプレーするのは大事だと思っています。

「世界一のサッカー組織」をつくるために必要なこと

「世界一のサッカー組織を作りたい」という目標と「アメリカだけでピラミッド型の育成組織が成立するようにしたい」という言葉がありましたが、グループ全体の構想はどうなっていますか。

神田:前回もお話ししましたように、カンボジアもそうですが、本田グループにはピラミッド型の中で上から下まであり、国ごとに完結するピラミッドも同時につくっています。アメリカでも上を目指せるユース世代、そしてその上にプロというピラミッドをつくるべきです。

 カンボジアのチームは全体のピラミッドの中でSVホルンの下に位置すると考えています。一方、カンボジア・シェムリアップのチームはカンボジアのピラミッドでは1番上。カンボジアには現在スクールはあるのですが、その間がありません。しっかりとその間をつくって下部組織を完成させ、下から上がって最終的にはシェムリアップでプレーできるようなピラミッドを完成していかなければなりません。またサッカーを通した教育も重視しています。

サッカーを通じた教育というところで、よくフィロソフィーという言葉が出てきましたが、本質はどういったことでしょうか。

神田:確かに我々はフィロソフィーという言葉をよく使いますが、なかなか説明するのは難しいですね。SVホルンではよく“Never Give up”“Hardwork”を掲げてやっています。しかし実際は本田と接したり、グループの中で体で感じていたりするもので言葉にするのは難しい。サッカーで言えばしんどい時に仲間のために動けるかどうか、決してあきらめない精神を最後まで持てるかというところですね。

教育という観点で、サッカー以外でも何か進めている事業はありますか。

神田:IT教育、例えばプログラミングなどを教えることを考えています。そういった会社とうまくお付き合いをさせていただいています。

 今のサッカースクールの問題点を考えた時、4〜5年生になると塾に行くために辞める子が結構多い。社会的事情でスクールを去る子供に対して、勉強を教えたり、流行っているプログラミングの教育をしたりするなどのスクールをうまく組み合わせてやっていけないかなと模索しています。すでに現実に動き始めています。

教育以外で始めようと思っている事業はありますか。

神田:オーストリアでいえば、今の現状ですとSVホルンは我々が抜ければ100パーセント潰れます。今後ずっと保有するという確約もありません。そんな中でずっとお金を稼げる軸は作っておきたいと思っています。

 まず素人の私が単純に考えることは飲食でした。僕は熊本出身なのですが、一つ思いついたのがラーメン屋さんです。実際に地元の熊本の企業さんに声を掛けさせていただいてます。飲食以外にも他にいろいろなことを考えています。やはり「とりあえずやってみる」が我々のフィロソフィーの1つです。また本田圭佑が一番嫌いなのが「無理」という言葉。そういったこともフィロソフィーの一部です。(次回に続く)

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