サッカー協会のトップと話し合ったのですか。

神田 康範(かんだ・やすのり)氏
HONDA ESTILO執行役員/SVホルン副会長兼CEO。大学卒業後ブリヂストンスポーツに入社し、アメリカでゴルフのマーケティングに携わる。サニーサイドアップを経て、HONDA ESTILOへ入社。

神田:カンボジアのサッカー協会の会長と話しました。その国のトップの方と会うことができて、いろいろな状況を生むことができました。「自分の力が国の発展や子供たちの教育に役立つ」という判断をして、僕がやりますと本田が言ったのです。

 3月からシーズンが始まるのであれば、3月からとりあえずやっていこうと。実はこの「とりあえずやってみる」という言葉は本田本人から出た言葉です。彼は日々いろいろな言葉を僕に投げかけてきますが、その中でも一番好きな言葉が「とりあえずやってみる」です。とにかくやってみる以上の方法はないんです。

 3月にリーグがスタートする予定ですが、既にスクールは昨年秋にプノンペンでオープンさせました。

シーズンは日本のJリーグと同じなのですね。チームとしてどんなビジョンを描いていますか。

神田:実はカンボジアの2部リーグはまだしっかりとした形がありません。言葉を選ばずにいうと、まだしっかりとした組織ではないのです。僕自身はまだちゃんと2部リーグを作ってくれるかどうか半信半疑です。今後どうなるか、まだ見えていない状況なので目標設定は厳しいですが、まずサッカーレベルのボトムアップに貢献したい。長期的に見ればサッカーのレベルが上がり、もう一段上のレベルにあるオーストリアのSVホルンで活躍するような選手を生み出したいです。

 我々はグループ全体をピラミッドに模していて、チームはどこかのカテゴリーに収まるイメージをしています。カンボジアのチームは今の段階ではSVホルンより下に位置づけてスタートしますが、いつかSVホルンぐらいの位置にきてほしい。そうやって選手の交流が出来るようなチームになることが目標で、カンボジアで1位になるとか、アジアの大会に出るなど具体的な目標はありませんが、サッカーを通して夢を与える事が本当に大事です。お金は絶対に儲からないですし、そのためにはやっていません。

リーグへの助言などにも力を入れていくのでしょうか。

神田:我々はそういったところにノウハウを一番持っています。リーグと対等に話せる以上のノウハウはあります。チームだけを盛り上げていくというよりは、カンボジアのレベルアップに貢献できたらと思って参入したんです。これが本当のところです。

本田選手の考え方を追っていくと、カンボジアだけではないですが、教育のところに最も力を入れているように感じます。

神田:おっしゃる通りです。ただチームを買うということには全く興味ありません。育成やサッカーを通じた「教育」といったことが我々のキーワードです。サッカーや教育を通して世界に夢を与え続けるという会社の理念がありますし、そこに沿ったことしかやりません。

 仮に飲食店の経営が理念に沿っているのであれば、飲食店を経営してもいい。不動産業でも人材派遣でもいいと思っています。人材派遣については社内の人間から意見が出ていて、スポーツ選手のセカンドライフを応援するような人材派遣会社を作ろうと思っています。事業は多岐にわたっていいと思っているんです。会社の理念に沿ってさえいれば。