液晶パネル向け部材など光電子工学事業の好調を背景に、2期連続の最高益を見込む日東電工。主力のスマホ向けは減速懸念も出ているが、「ニッチトップ」を磨いて乗り越えると話す。製薬事業やカーエレクトロニクスなど、次の100年に向けて新領域に挑む。

(聞き手は 本誌編集長 飯田 展久)

(写真=村田 和聡)
PROFILE
[たかさき・ひでお]1953年、大阪府生まれ。62歳。78年、明治大学商学部を卒業後、日東電工に入社。営業畑を歩み、2000年、エンジニアリングプラスチック事業部長に就任。2004年、日東ヨーロッパ副社長、翌年に同社長に就任。帰国後は偏光板などを手掛けるオプティカル事業を率い、スマホ向け事業の拡大に注力した。2008年に取締役、2014年4月に社長 CEO(最高経営責任者) COO(最高執行責任者)に就任。日東電工の経営理念を座右の銘にしているという。

お客さんの課題を先取りして考えるセンスが必要。 人間が生きていくうえで役に立つ会社にする。

主力のスマートフォン(スマホ)向け事業が好調ですが、足元では市場をけん引してきた中国の成長が鈍化しています。影響はありますか。

髙﨑 秀雄 氏(以下、髙﨑) :確かに中国経済は減速し、スマホが売れなくなったとか、在庫が増えているといった話はよく耳に入ってきます。ただ成長が鈍化したとはいえ、成長率はゼロではないですよね。そもそも成長率が6%もある国はそうはありません。ただ今後は中国以外の新興国でスマホのニーズが高まり、低・中価格帯のボリュームゾーンが拡大する可能性もあります。

 警戒すべきなのは需給バランスの悪化です。一部海外メーカーはこれを無視して生産しますから、供給過多になりやすい。これに巻き込まれたらダメです。安い取引でも固定費を回収できればいいという考えもあるかもしれませんが、私はそれを許しません。ぎりぎりのところまでは構わないが、収益率を傷めてまで安値受注をどんどん受け入れるのはあり得ない。

 我々は基本的に付加価値のあるハイエンド(高価格高機能)市場で事業展開しています。業界の三角形で言えばトップのところですね。ここでは常に新しい製品が登場します。そして新しい製品には必ず我々の材料が入る。