社員のほとんどが午後5時に帰宅するのに、10年連続増収を続ける化粧品ベンチャー。母親が何度でも子供を産み、帰ってきて、やりがいのある仕事ができる会社を作ってきた。女性が生涯活躍できるビジョンを作ろうと提言する。

(聞き手は 日経ビジネス編集長 飯田 展久)

(写真=陶山 勉、以下同)
(写真=陶山 勉、以下同)
PROFILE
1968年、北海道生まれ。藤女子短期大学(現藤女子大学)卒業後、JTB入社。広告代理店に勤務した後、別の広告代理店に移り、取締役営業本部長に。2005年2月に退社後、前職の部下だった日高由紀子氏(現ランクアップ取締役)と同年6月にランクアップを設立。女性が働きやすい会社として注目を集めている。現在、ランクアップの社員43人中41人が女性で24人が母親。

残業が少ないだけでは、社員は幸せにならない。
徹底的に外部委託し、生産性の高い仕事に特化する。

残業ほとんどなしで10年連続増収。社員の半数以上は母親。女性が活躍する先進企業ですね。

岩崎裕美子氏(以下、岩崎):実は私は以前、超ブラック企業にいたんです。

 広告代理店で、夜中まで働いて成果を上げて、取締役営業本部長になりました。でも、社員がどんどん辞めていった。小さな会社だったので、男性の採用が難しく、女性ばかりでした。女性なら優秀な人が転職してきてくれるんです。26~28歳で採用して、29~30歳ぐらいでバリバリ仕事ができるようになる。そうすると、「結婚や出産がしたいけど、この会社では難しい」と、離れていってしまうんです。

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