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 いよいよ「人生の諸問題」の区切りの最終回となりました。前回からの続きです(こちら)。

 みんなで2018年を振り返っています。2018年といえば、平昌冬季オリンピック・パラリンピックから幕が開き、そこからサッカーのワールドカップが続きました。前回は相撲と野球の話で終始してしまいましたが、スポーツ好きのお二人には、いろいろ話したいことがいっぱいあった年だったと思います。

:平昌冬季五輪って、今年だったんだ。

 (ガクッ)

写真左:岡康道(おか・やすみち)1956年佐賀県に生まれ東京に育つ。早稲田大学法学部卒業後、電通に入社。CMプランナーとしてJR東日本、サントリーなど時代を代表するキャンペーンを多く手がける。97年、JAAAクリエイター・オブ・ザ・イヤー受賞。99年、日本初のクリエイティブ・エージェンシーTUGBOATを設立。NTTドコモ、TOYOTA、ダイワハウス、サントリーなどのCMを手がける。ACCグランプリ、TCC最高賞ほか多数受賞。エッセイ集『アイデアの直前』、小説『夏の果て』などがある。近著は『勝率2割の仕事論』。小田嶋隆氏とは高校時代の同級生。

写真右:小田嶋 隆(おだじま・たかし)1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。日経ビジネス本誌で「パイ・イン・ザ・スカイ」、当日経ビジネスオンラインで「ア・ピース・オブ・警句」を連載中。近著は、『上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白』岡康道氏とは高校時代の同級生。

小田嶋:いや、もう、なんか、遠い。この間、流行語大賞で、「そだねー」という言葉が受賞していたけど、俺は5年前の流行だった、みたいな感覚で聞いた。

:昔は広告のコピーでも、2~3年はもっていたものだけど、最近は1年前、半年前がすごい昔に感じられるようになって、コピー自体も一瞬で流れていって、全然もたなくなっていますからね。

 でも小田嶋さんは、平昌五輪のときにコメンテーターとして「報道ステーション」にちゃっかり出演していたじゃないですか。満面の笑みで、「いや、感動した」とか何とか言っていましたよね。

:そんな小泉純一郎みたいなことを言っていたのか。

小田嶋:あれね。

 出張先でテレビを見ていたら、いきなり小田嶋さんが出てきて、飲んでいたお茶を吹いちゃいましたよ。

小田嶋:うっかりと、何かよくないことを言っちゃわないか、自分的には大変だったのよ、実は。

:そうだよね。とりわけ小田嶋の場合は。

 危ない。

小田嶋:だから、我ながら、すごい官僚答弁になって(笑)。普段、切れ味のいい人が官僚答弁になるときは、どうしてああも切れ味が鈍るのかというと、ある種の事情を抱えているからだ、ということがよく分かりましたね。

:うーんとか言っていても、だめだしね。

小田嶋:たとえば、ちょっとはしゃいでしまいがちなフィギュアスケートの感想にしても、難しい。うっかりしたことを言えない。

:フィギュアだとコアなファンの反応が、結構大変なんだよ。前回、前々回冬季五輪のキム・ヨナね。あれ、僕は、応援したいな、なんて思っていたんだけど、なんか日本でそれを表出するのは、難しい雰囲気だった。とりわけキム・ヨナが出ているときに、家の中で応援するのは、はばかられた。

 家の中、とは?

小田嶋:だから、浅田真央さんじゃなくて、キム・ヨナを応援するって、ある種、何というか、キャバクラ嬢にお熱みたいな、そういうニュアンスが出てしまうから。

:もちろん僕はアスリートとして応援しているんだけど、キム・ヨナはバブルのときに、いちばんもてたタイプなんですよ。だから、応援したいけど、応援しちゃいけないって、気持ちにブレーキがかかる。