リベラルおじさんの世界の狭さ

小田嶋:ニワトリとか、サルとか、ゲラダヒヒとかと一緒なんですよ。女性の場合はボノボとか、もう少し進んだ段階の人たちだから、水平的な関係で社会を回していける。

:あれ、男はできないね。

小田嶋:年齢が5歳違うと口がきけないとか、年収で200万円違うと口がきけないとか。

:ほとんど同じ出身地で、同じ学歴で、同じ年収で、同じ年齢じゃないと話が合わない。

狭っ。

小田嶋:そう、この狭さはいったい何よ、という話だよね。

:しかも我々は、内心に序列意識を持っているのに、表面上はリベラルな水平関係をつくっている風を装っているじゃない?

小田嶋:確かに俺にしても、戦後の東京育ちで、小石川出身ということで、表面上は一応リベラルだけど、中身は全然そうじゃないということが、だんだんはっきりしてきた。

それって、入院中のおっさんよりもダメダメじゃないですか。

小田嶋:そうね……。それでいうと、世の中で一番、処置なしなのは、リベサヨみたいなおっさんやじじいで、その人たちが実は一番、世間知らずで威張っているという状況がある。

ヤナセ:分かります!

あ、またヤナセ教授が張り切って参入を。

ヤナセ:作家の鈴木涼美さんが、まさしく書いていました。鈴木さんはインテリのご両親のもとに生まれて、元日経新聞の記者で、慶應SFCの学生時代にAV女優をしていた人で、キャバクラで働いていたときの経験から書いたコラムに、印象的な記述がありましたよ。「リベラルなおじさんは大抵、キャバクラに来ても気前がよくない。おそらくトランプ米大統領の方がよほど気前は良い」(こちら)。つまり「トランプみたいなおっさんは威張っているけれど、金払いはいいし、意外とやさしい。一番だめな客は、『君みたいな仕事が、もっと解放されなきゃいけないんだ』とか言ってくる、自称リベラルおじさんだ」ということを書いているんですね。

ああ、そういう説教系のリベラルおじさんは、岡さん小田嶋さんの自画像より、ずっと最悪ですね。 

ヤナセ:そういうことを言うやつに限って払いは渋いし、エゴだし、エロだし、という話でした。

小田嶋:俺は鈴木涼美さんの本は、ラジオ番組「たまむすび」の中で、何回か推薦図書に挙げたことがあります。『身体を売ったらサヨウナラ』とか、タイトルも内容も「え?」というほど面白い。どういうふうに面白いかというと、文章はすごく面白いんだけど、書いていることは狂っている、という、いわく言い難い面白さなの。

:何、それ。

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