現役トップは競技団体トップに向くか?

:現役時代に一番強かった人が、協会で一番偉くなるというのは、これはほかの競技団体ではあまりないですね。

小田嶋:実は競技でトップに立っちゃう人というのは、ある意味、視野の狭い人ですからね。それこそ、余人の追随を許さぬほど、その道に精進したわけだから。

:そういう人は、そりゃマネジメントには向いていないですよ。

小田嶋:サッカーやバスケでは、名監督になった名選手は、ほぼいないです。だいたい補欠だったりした人が、後に名監督と呼ばれたりするようになる。

:例外が、王貞治さん。王さんみたいな人格者で、周りも見える一流選手で、一流監督というのは、王さん以外はいなかった。

小田嶋:王さんは超例外ですね。だいたい張本さんとか、ああなっちゃう。一番典型的なのは……。

:カネやん(笑)。

小田嶋:そう、カネやん。カネやんというのは、いい人で、面白い人だけど、マネジメントができる人じゃない。

:カネやんには無理だよ、そりゃ。

小田嶋:だけどカネやんみたいな人がトップに立っちゃうのが、相撲協会の体質なわけだよ。野球はいろいろ悪口を言われているけど、一応外部のコミッショナーを置くとか、あるいは企業のトップの人間との交流があるとか、球団社長がいて、監督がいて、コミッショナーがいて、GMがいてという指揮系統はそれなりに敷いている。

:まあ、混乱はしているけど、一応はそういうものがある。

小田嶋:その意味で、まるっきりのピラミッドじゃないわけです。一方で、相撲協会はああなっちゃっていますからね。

:すごいよね、あれ。

小田嶋:あれ、ひどいです。その中で貴乃花という人は、一種純粋すぎるというのか何というのか、融通がきかなすぎる。だから彼をめぐる騒動では、貴乃花も相撲協会も、どっちも味方できない感があったじゃないですか。

:どっちもどっち感があったね。

小田嶋:貴乃花は、モンゴルから相撲を取り戻せみたいなことを、いろいろなところで漏らしているけれど、あれはちょっと民族偏見が混じっている感が、どうしても漂うのね。言いたいことは分かるんだけど、白鵬だとかあの辺のモンゴルの連中が、日本の相撲を悪くしているという見方は、どちらかというと偏見で、それに乗っかっちゃっているネトウヨが結構いる。

:うーん。

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