柳瀬教授の研究室へようこそ

というか、今日は私たちが柳瀬さんの研究室にお邪魔をしています。柳瀬さんは今年の春に日経BP社をお辞めになって、4月に東京工業大学リベラルアーツ研究教育院の教授に就任されたのです。

:なんと。

しかも教授なのに、今日も柳瀬さんがカメラ担当だという。

小田嶋:いや、柳瀬さんも腕をずいぶん上げましたよ。

ヤナセ:ありがとうございます。

小田嶋:連載の途中から柳瀬さんがカメラをぶんぶんやるようになったけど、柳瀬さんの持っているカメラが、だんだんよくなっていくプロセスを、俺は目の当たりにしてきましたからね。最初はコンデジだったのが、望遠レンズのついているものになって、一眼になってと、だんだんレベルアップしてきた。

:自分への投資? というやつだよね(笑)。

それで、今は教授さまになっておられる。

小田嶋:自分への投資がムダになっていないのよ。

:それにしても、普通は連載といっても、なかなか、ここまで続かないよね。

おかげさまで、みんな、生きてここに。

小田嶋:誰も死なないで、みんな元気でここまで来れたというのはね、これは貴重なことですよ。

:誰も死なないというのは重要だけど、あと、みんな、はげなかったというのはね、大きい。

小田嶋:還暦超えのプライドとしてね。だいたい今の俺なんか、「若いやつ」って言うときに、40代を想定しているからね。

10代、20代を飛び越えて。

:完全にそうだよね。昔だったら、「40代? オッサンじゃん」という立場だったのに。

小田嶋:この間、小石川高校のでかい同窓会があったじゃないか。

:100周年ね。

小田嶋:俺は盛大な式典の方には出席しないで、二次会みたいなところから参入したんだけど。

:盛大な式典の後に、それぞれの学年が分科会みたいになって二次会をやったんだよね。

次ページ 校長先生が小僧に見えるお年頃