小田嶋:おそらく大臣であった稲田朋美がうそをついているに違いないんだけど、そうじゃなくて、リークしたのは誰なのか、という興味の方がわれわれにはあるわけです。

:大臣があれをやったら、防衛省の人たちは、「なんで俺たちだけ悪者にして処理しようとするわけ?」と思うだろう。

小田嶋:だから内部告発につながるわけですよ。防衛監察というやつは、「制服組が悪だくみをしました、あと文官が何人かかかわって隠ぺいをしていました、大臣は知りませんでした、終わり」という報告書を作ることを決めていたんだろうけど、そんなものを世の中に出されて、それで8月の内閣改造まで、防衛大臣を無事に務め上げられてしまった日には、俺たちはただのトカゲのしっぽじゃないか、と。

 そんなことを許してなるものか、というのが、日報をめぐる一連の騒動の背景だったんだろうけど、あれは官僚をコケにし過ぎたんですよね。きっとこれは無事じゃ済まないよ、と思っていたら、結局、内閣改造前に辞任に追い込まれましたね。

:さすがに無理、全然無理でしたね。

小田嶋:何か、あの人、稲田朋美って人に関しては、能力とか責任感とか、いろいろなことを全部のけて、写真の写り方が、まったくだめだったと思う。

姫と下駄

広告界の岡さんから見て、どうでしょう?

:とにかく、表情の作り方に、まるで説得力がなかったですよ。

小田嶋:よく男社会の中に女性が1人入っていて、面倒くさいからちやほやされている、みたいな形ってあるじゃないか。

:紅一点とかいわれてね。

小田嶋:紅一点というのか、「オタサーの姫」というのか、そういういい方があるけれど、そういうことで下駄を履かされて育ってきた人たちっているよね。昔、竹下登が、麻生太郎や安倍晋三に関して、「ああ、下駄を履いた人たちだわな」と言ったところの人たち。

竹下登の発言の場合、「だわな」の語尾が肝要ですね。

小田嶋:竹下登は、あれは島根県の県議会議員からのたたき上げですよ。

:早稲田の出身だけど、もともと英語の代用教員だったでしょう。

小田嶋:若いころから、政治家を目指して、県議会議員になり、衆議院の下っ端議員になり、ぞうきん掛けから始めて、少しずつ上り詰めて総理にまでなった人じゃない?

:麻生とか安倍とかと、まったく違う(笑)。

彼女は成功体験に縛られた?

小田嶋:生まれつき総理の孫、という人たちには、そりゃあ何かをいいたくなりますよね。で、稲田朋美もまさに下駄を履いた人たちの系譜で。

:下駄の種類が違うけどな。

小田嶋:ピンク色の「女下駄」というものを履いているという。

:なるほどね。

小田嶋:それで、ちょっときょとんとした、こびるみたいな表情のつくり方。あれはいまどき、もう通用しないのにまだやっているという。

稲田さんは、私の周りの女性たちにも、まったく人気がなかったです。

小田嶋:きっとあれは20代、30代のころに、ちょっとかわいく「え? 私、分かんない」とかいって首をかしげていると、周りの人たちが、「いいよ、朋美ちゃんは」みたいになって、という繰り返しの中でやり続けてきたんだろうけど。

:弁護士だしね。

小田嶋:おじさん連中から、「ああ、朋美ちゃん、もう分かった、分かった」といわれて、流されてきた時代を、50歳を過ぎて60歳にならんとする現在にいたるまで、なぜ続けられるのか。すごいことですよ。

:小池(百合子)さんはどうなんだろう。

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