(前回はこちら)
前回からの続きです。では、岡さんの人生の到達点の話を早速うかがってまいりましょう。
岡:まず、僕は、清宮(日本ハムファイターズの清宮幸太郎選手)が心配なのは守備なんですよね。
はい?
岡:いや、これはちゃんとした前振りなの。
小田嶋:しかも、いきなり守備の話か。清宮の守備を心配しているやつというのは、これは相当な野球通だよね(笑)。
岡:バッティング、バットコントロールは、いいよ、もちろん。すごいですよ。ただ、守備のポジションがファーストというのがね。
小田嶋:心配しているポイントが、プロのスカウトみたいになっているんだよ、お前は(笑)。
岡:つまり、そもそも早稲田実業レベルの野球部って、野手も結構うまいのよ。
小田嶋:そうでしょうね。
岡:全国から来ているんだからね。その中でファーストしか守るところがなかった、ということは、もしかしたら、よほど守備のセンスがないんじゃないか、と心配になっちゃうんだよね。だって、あのバッティングを差し引いてですから、余計そうなりますよね。清宮がプロに行く人間だ、ということは早い段階で分かりきっていたんだから、高校でもプロでハマりやすい守備位置を、早い時期からやらせなきゃいけなかったと思うんだよ。
小田嶋:それって完全に監督目線でしょう(笑)。
どう育てるか、という自分プランがあるんですね。
岡:この間、田淵幸一さんとゴルフをする機会があってね。田淵さんって豊島区、つまり東京都の第4学区の出身なんだよ。
小田嶋:そうだ、C橋の所だろう。
岡:知っていた? 高田中学なんだよ。
田淵幸一さんに確かめた都市伝説
小田嶋:知っているよ。あのC橋の坂を上がっていく途中に、「田淵」という表札が出ていた家があったもん。
岡:僕は同じ豊島区の中学で、野球部だったでしょう。高田中のやつが、「オレらの中学に、すげえ先輩がいた」って話していたことは、よく覚えていたのよ。
小田嶋:なるほどね。
岡:田淵が右打席で打つと、校舎まで飛んでいって、ガラス窓を壊しちゃうから、右打席に入るのは試合の時だけで、練習は左打席で打っているんだよ、という話で。
小田嶋:そんな漫画のような。
岡:「うそだよ、そんな」って僕も言っていたんだけど、「田淵さんって、法政に行って、そこから阪神に入ったんだよ。だから、マジな話」ということで、僕もそう信じていた。
小田嶋:その話は本人に聞けたのか。
岡:うん、聞けた。
小田嶋:で?
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