(前回はこちら

前回からの続きです。では、岡さんの人生の到達点の話を早速うかがってまいりましょう。

:まず、僕は、清宮(日本ハムファイターズの清宮幸太郎選手)が心配なのは守備なんですよね。

はい?

:いや、これはちゃんとした前振りなの。

<span class="fontBold">岡康道(おか・やすみち)</span> 1956年佐賀県に生まれ東京に育つ。早稲田大学法学部卒業後、電通に入社。CMプランナーとしてJR東日本、サントリーなど時代を代表するキャンペーンを多く手がける。97年、JAAAクリエイター・オブ・ザ・イヤー受賞。99年、日本初のクリエイティブ・エージェンシーTUGBOATを設立。NTTドコモ、TOYOTA、ダイワハウス、サントリーなどのCMを手がける。ACCグランプリ、TCC最高賞ほか多数受賞。エッセイ集『<a href="http://amzn.to/2sVCSul" target="_blank">アイデアの直前</a>』、小説『<a href="http://amzn.to/2ov7Btq" target="_blank">夏の果て</a>』などがある。近著は『<a href="http://amzn.to/2sZmg4Q" target="_blank">勝率2割の仕事論</a>』。小田嶋隆氏とは高校時代の同級生。
岡康道(おか・やすみち) 1956年佐賀県に生まれ東京に育つ。早稲田大学法学部卒業後、電通に入社。CMプランナーとしてJR東日本、サントリーなど時代を代表するキャンペーンを多く手がける。97年、JAAAクリエイター・オブ・ザ・イヤー受賞。99年、日本初のクリエイティブ・エージェンシーTUGBOATを設立。NTTドコモ、TOYOTA、ダイワハウス、サントリーなどのCMを手がける。ACCグランプリ、TCC最高賞ほか多数受賞。エッセイ集『アイデアの直前』、小説『夏の果て』などがある。近著は『勝率2割の仕事論』。小田嶋隆氏とは高校時代の同級生。

小田嶋:しかも、いきなり守備の話か。清宮の守備を心配しているやつというのは、これは相当な野球通だよね(笑)。

:バッティング、バットコントロールは、いいよ、もちろん。すごいですよ。ただ、守備のポジションがファーストというのがね。

小田嶋:心配しているポイントが、プロのスカウトみたいになっているんだよ、お前は(笑)。

:つまり、そもそも早稲田実業レベルの野球部って、野手も結構うまいのよ。

小田嶋:そうでしょうね。

:全国から来ているんだからね。その中でファーストしか守るところがなかった、ということは、もしかしたら、よほど守備のセンスがないんじゃないか、と心配になっちゃうんだよね。だって、あのバッティングを差し引いてですから、余計そうなりますよね。清宮がプロに行く人間だ、ということは早い段階で分かりきっていたんだから、高校でもプロでハマりやすい守備位置を、早い時期からやらせなきゃいけなかったと思うんだよ。

小田嶋:それって完全に監督目線でしょう(笑)。

どう育てるか、という自分プランがあるんですね。

:この間、田淵幸一さんとゴルフをする機会があってね。田淵さんって豊島区、つまり東京都の第4学区の出身なんだよ。

小田嶋:そうだ、C橋の所だろう。

:知っていた? 高田中学なんだよ。

田淵幸一さんに確かめた都市伝説

小田嶋:知っているよ。あのC橋の坂を上がっていく途中に、「田淵」という表札が出ていた家があったもん。

:僕は同じ豊島区の中学で、野球部だったでしょう。高田中のやつが、「オレらの中学に、すげえ先輩がいた」って話していたことは、よく覚えていたのよ。

小田嶋:なるほどね。

:田淵が右打席で打つと、校舎まで飛んでいって、ガラス窓を壊しちゃうから、右打席に入るのは試合の時だけで、練習は左打席で打っているんだよ、という話で。

小田嶋:そんな漫画のような。

:「うそだよ、そんな」って僕も言っていたんだけど、「田淵さんって、法政に行って、そこから阪神に入ったんだよ。だから、マジな話」ということで、僕もそう信じていた。

小田嶋:その話は本人に聞けたのか。

:うん、聞けた。

小田嶋:で?

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