
1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。日経ビジネス本誌で「パイ・イン・ザ・スカイ」、当日経ビジネスオンラインで「ア・ピース・オブ・警句」を連載中。近著は、『上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白』。岡康道氏とは高校時代の同級生。
小田嶋:たとえば田母神(俊雄)さんという人がいて、彼はいろいろな点でおかしな人なんだけど、あの人がやってきた業務についてだけいうと、とてもまともな人なの。航空幕僚長だった時代の自分の業務範囲については、異様に冷静で的確で論理的な意見を出すんだよ。
岡:なるほど。
小田嶋:ただ、そこから外れた話になると、途端に異次元のばかなことを言い出す。
岡:それ、会社でいうと、スペシャリストとゼネラリストの違いというところだろうか。
小田嶋:スペシャリストはゼネラルな判断って、できないのよ。だって、全体を俯瞰しないからこそ、追求できるディテールってあるわけだから。
連載開始から12年、初めて海に(なぜ?)
脇道に入って白熱していますが、実は私たちは海に来ています。
岡:そうなんだよ。目の前に美しい海があって、隣にはヨットが係留されている。ここでこんな話をするって、よく分からない。
毎回、同じところをぐるぐるするばかりの「諸問題」。海を前にしたらちょっとは展望が開けるかな、と小田嶋さんからご提案がありまして、逗子マリーナまで参りました。
岡:なにしろ、始まって12年。それなのに僕たちはまだ、まともに話ができていないからね。
干支が一回りしてしまいました(遠い目)。
小田嶋:今回のテーマに沿っていえば、東京の人間、特に俺らのような内陸の人間は、高校生、大学生ぐらいの時に、海にすごく幻想を持つのよ。海で何かを打開したいとか、オーシャンビューで自分の人生が開けるんじゃないか、なりたい自分が見えてくるんじゃないか、みたいな、そういう気分を持っている。
岡:僕にとって海は、まったく無関係の場所、外国ですね。もう、葉山とか逗子とかって海外。
神奈川県が海外……。
岡:海に行ったことだって人生で数えるほどで、そのうち1回は。
小田嶋:俺とだね。
岡:そう、小田嶋と。
すごくダメな感じですね。
岡:学生時代、正月に小田嶋の車で海に行って、帰りに第三京浜走行中にブレーキが壊れて半回転した。
小田嶋:第三京浜事件ね。
岡:次は、学生時代に大家さんだった米屋さんのバンを借りて出かけたんだけど。腹が空くだろうということで、おむすびにバナナを入れて持っていったら、途中で腐っていた。3回目はサーフィンをやっているやつと一緒に行って、最初に乗れた時にうれしくて、ずっと乗っていたら、最後にサーフボードのフィンが折れた。友達からは、めちゃくちゃ怒られたね。
小田嶋:あと、お前はコヤナギと一緒に行っているはずだよ。
岡:そうだ、それが4回目です。日大拳法部のやつら30人と一緒に、湘南の海へ行きました。拳法部30人が全員坊主頭で、すごい異様な光景だった。
オダジマ、海の男になる?!
それ、湘南への嫌がらせですね。
岡:拳法部って、ものすごく怖いんですよ。着ているものも、学ランどころじゃなくて、長ランだもんね。
小田嶋:俺はコヤナギと日大拳法部のやつらと一緒に、駒沢公園から駒沢公園駅まで歩いたことがあったんだけど、やつらが長ランで歩くと、モーゼのように道が開くんだよ。道がさあっと開くって、こういうことか、と初めて知ったね。
聖書が身近に。
岡:あれ、怖いよね。だって湘南でも、混んでいる夏の海岸が空いちゃうんですよ。下手すりゃ逮捕されるよね。何にもしてないけど。
ということで、今日は小田嶋さんから「佐島あたりに面白い話がある」ということを聞いています。
岡:何、それ?
小田嶋:俺、学生時代に、あやうくヨットマンになりかけたのよ。
聞く前から、もう帰りたくなる感じです。
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