小田嶋:平成時代に入って以降は、高齢者の犯罪が多くなった。といったら結局、全部同じ世代の人たち(笑)。

:まあ、分母が多ければ、という話でもあるんだろうけど。

小田嶋:いや、その点に関しても、単に彼らは数が多いから、犯罪も多いんだろうというんじゃなくて、「率」で高いというんだ。10万人当たりの犯罪率みたいなのが、ガチで高いというんだよ。

 そもそもたばこを吸い終わった時は、道にぽいっと捨て……といった感覚。あの秩序違反感のなさは、あの世代の人たちに非常に独特な感覚だよ。

:なるほどね。

小田嶋:社会上のいろいろなルールについて、「俺は関係ねえ」ということで、赤信号でも渡っちゃうとかいう気分の人たちは、今の60代後半以降に顕著なところの、ヤー公な感じで。

:それは、闘っていたからかな?

小田嶋:いや、数が多かったから。数が多かったから、ケアされ切れずに生きてきた。

:確かに生まれた時から、多かった人たちだもんな。

小田嶋:親からもしつけを受けないし、学校の先生も「まあ、君たちは好きにしたまえ」みたいな時代だったじゃないか。

:団塊の世代で言うと、何となく闘ったりけんかしていたりするポーズが、習慣になっている。

小田嶋:だから、まあ、若いころはよかったんだろうし、老いても年金をもらえる人たちだし。

:嫌だね……。僕は迷惑老人になりたくない。

小田嶋:俺たち世代は、三無主義、しらけ世代とか呼ばれて、おとなしいといわれていたよ。

 それはそれで困った世代です。

:へんであることは認めるよ。

小田嶋:絶対数が少ないし、上の世代が散々荒らし回っていった後の人たちだから、ひねくれ方はすごい。

:浅田彰とかね。

小田嶋:浅田彰、田中康夫、泉麻人、ちょっと下ってみうらじゅん、松尾スズキさんとか。

:宮台真司とか。

小田嶋:そこから津田大介くんの間に、やはり大きな空白があるんですよ。

病院生活で、何が得られるか

 ということで、そろそろ「入院したら何が得られるか」という今回のテーマに関して、締めの言葉をいただきたいな、と。

:そうですよ。それを話すために集まったんだよ。

小田嶋:たまにはちゃんと取り組まないとね。

:うん、たまにはね。

小田嶋:入院は、だから人生観が変わる。

:だけど、お前、戻っちゃったじゃないか。

小田嶋:はい、戻りました。でも勉強にはなるわけ。だって、今までのいろいろな習慣が、1回リセットされるわけでしょう。まったく新しく生き直す、というわけじゃないんだけど、病院にいた間だけは別人になる。

 もう1回入院したいですか。