小田嶋:ああ。岡がパワーウインドーを珍しがって、4枚全部を同時に上げ下げしていたら、ヒューズが飛んで、閉まらなくなったんだよね。

:そうそう。あれ、正月か何かだったから、寒いなんてもんじゃなかった。

小田嶋:しかも豪雨だったんだ。

 そういう話がまだありましたか。

:まだありましたね(笑)。あの時、第三京浜で、小田嶋がブレーキをかけなかったので、あやうく前の車に追突、という事件もありましたね。

小田嶋:いや、あれはブレーキが壊れていたんだよ。あれ、ブルーバードUという車で、窓も壊れているし、ブレーキも踏むたびにブーッというようなありさまでさ。ディスクブレーキのパッドがなくなって、金属が直接当たっていたんじゃないかな。

:なんかごりごりいってた。

小田嶋:行きはキリキリで、帰りはゴーっとか、ブーっとか、踏むたびに。「変な音がするね」なーんて言っていたんだけど、じきに効かなくなったんだよ。

 とても危なくないですか。

:危ないよ。運転中の小田嶋が、「ブレーキを踏んでいるのに止まらない」と言いだして、助手席の僕がサイドブレーキを引いたの。

小田嶋:そうしたら、車が半回転スピンで止まった。

:機転が利くでしょう。

 いやはや。

:なのに小田嶋は、「サイドブレーキが焼けた」とか文句を言ったよね。

小田嶋:……。

:あれをやらなかったら、前の車にぶつかっちゃっていたかもしれないんだよ。

オンボロのブルUで第三京浜を走る

 …このコラムを読む方は大人だと思いますので、整備不良車で自動車専用道を走るなんてとんでもない行為を推奨しているわけじゃないことはご理解下さい。しかし、そもそも何で二人でドライブだったんですか?

小田嶋:……何ででしょうね?

 どう考えても三浦の方へ行って、ナンパに失敗して帰ってきました、という感じですが。

小田嶋:いや、こいつとはナンパはしなかったんですよ。それだけは確か。

:何で小田嶋とそこに行ったのかは、思い出せない。

小田嶋:何か第三京浜に乗って西湘バイパスを走る、というだけで自分がグレードアップする、みたいな気がする時代だったんだよ。それで、意味もなく行ったんだと思う。でも海って、行ってみるとくだらないんだよね。

:うん。やることがないんだよ。

小田嶋:男二人で来るところじゃねえぞ、なんて、だんだん不機嫌になっちゃってね。

:コンビニなんかない時代だし、スマホだってない。ナビもないから、助手席で地図を見るしかない。見ていたら、あれ、車がぐるっと回っちゃったよ、と。

小田嶋:事故らなかったのは奇跡的ですね。

:ただ、確かに最初からボロボロの車だった。しかも、スピンして止まった後に、それで赤羽まで帰ったんだからすごいよね。

小田嶋:高速の左側を30キロぐらいで、何とか、だましだましで、とろとろと帰ってきましたね。ただ当時、車が壊れるのは、それほど珍しいことじゃなかった。ワイパーが動かないとか、そのくらいのレベルのやつはしょっちゅうあった。

 繰り返しになりますが、マネしないでくださいね。とっても危ないですよね。

:危ないですよ、もちろん。