:となると、病院内で暮らして、出掛けるときはタクシーにすればいいわけだ。ここからタクシーに乗って雀荘に行くことは、わりと早い時期からできる(笑)。

小田嶋:俺自身、直接タクシーで乗り付けて、エレベーターで上がれる、みたいな雀荘はどこかな? とすでに考え始めているんだよね。ただ、いずれにしても高田馬場は避けないといけないな、と。

:あそこは避けないとだめだな。赤羽もやばいでしょうね。

小田嶋:赤羽は、普通にしていても、人がすごくぶつかってくるところだから、土地柄的に。

何でも、どうでもいいですが、入院というシチュエーションだったら、小田嶋さんが大事な仕事の約束を忘れることは、ほとんど起こらないとみていいですよね。

小田嶋:う。

ところで、今日お召しになっているシャツは、色が明るくていいですね。

小田嶋:そう、知り合いの編集者さんがお見舞いで持ってきてくれたの。その人とは15年ぶりぐらいに会ったんだけど。

そんなに遠い編集者さんがお見舞いに来てくださるなんて、小田嶋さんは果報者ですね。

小田嶋:その彼と久々に会って雑談をしていたら、かつて俺が、その人の奥さんと仕事をしていたらしいことが分かったんだけどね。「なんだN原さん、結婚していたのか。知らなかったよ」「そうなんですよ、僕は社内結婚で」「かみさんも編集畑の人?」「たぶん、小田嶋さんもご存じですよ」みたいな会話を一通りして、「いや、奥さんと仕事をご一緒したことは、なかったと思いますよ」で終わるはずだったんだけど。

レジェンド・オダジマ

だけど?

小田嶋:実は昔、N原さんのかみさんが在籍していたパソコン雑誌が、読者投稿の欄に「小田嶋賞」というのを出す企画を立てたことがあったんです。どういうわけか、その受賞式が青森で行われることになって、俺は青森に行くはずになっていたのに、待ち合わせの場所に俺は現れなかった、ということでした。

一同 ……。 

:やっぱりお前は、いつでも約束を忘れているじゃないか。

小田嶋:上野駅の待ち合わせに、何かで来なかったって。すごいよね。しかも、携帯もない時代ですからね。

他人事じゃないってば。

:ひどいよね。

小田嶋:アル中さん時代だった、ということもあるけれど、そのころの俺は、原稿を書かなかったり、打ち合わせに出なかったり、というのもあったらしい。

そうやって、「オダジマ先生」の伝説ができあがっていった。

:とても困った伝説ですよ、それは。

小田嶋:とても恥ずかしい伝説です。まあ、そこから抜け出したのはよかったな、と思うけどね。

アル中から抜け出したことは褒めてあげます。でも、約束を忘れる病はどうなんでしょう?

小田嶋:う。

(次回に続きます)

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