:いや、それで、だから、ほら、連絡もできないわけじゃない? 当時携帯なんてないから。

小田嶋:ない。

:ね。だから小田嶋にまず、連絡を頼む、と。

小田嶋:俺は連絡とスケジューリングを全部やった。

マネージャー、小田嶋ですか。

小田嶋:そこまでやってあげてだよ、こいつはあることを、いつまでも根に持っていたんだよ。何とかという、ちょっとかわいい子に俺が連絡した時に、「私、病院の場所が分からない」と言うから、「じゃあ、ちょうど俺が行く日だから、高田馬場の駅で待ち合わせをして一緒に行こう」ということになって、連れていってあげたの。で、その見舞いの時に、俺が「そろそろ帰るよ」と言ったら、その子も「私も帰る」と言って、一緒に帰ったの。で、一緒に帰った俺が、その子に何かしたんじゃないか、と岡はずっとそういう目で俺を見続けて。

:だって、ちょっとおかしいだろう。別に小田嶋は、その女の子と関係なく来てもいいわけじゃないか。

小田嶋:だから、俺はお前に言われて案内したんだってば。

はいはい。

小田嶋:あの時、帰り際に岡の病室を見あげたら、じっとこっちを見ている岡がいたね。

“野戦病院”に寿司が届くと

しょうもない話ですね、相変わらず。

:そのD病院は、高田馬場にあるぐらいだから、周りも柔道部、ラグビー部とか、みんな早稲田の運動部のやつなんだよ。

要するに野戦病院ですね。

:それである日、5人が怪我で入院している6人部屋に、盲腸の一般学生が入ってきたの。で、そいつに付き添っていた女の子が、めちゃくちゃかわいかったわけ。後の5人はそれで、すごく不快になった。で、そいつが手術をした夜に痛がってナースコールをしたら、後で隣の柔道部のやつが、「お前、うるせえんだよ」と、枕でそいつを殴ってさ(笑)。俺たちも、「そうだ、お前、そのぐらいでガタガタ騒ぐんじゃねえ」とかね。

いつものことですが、ひどい。

:「今度、看護婦を呼んだら殴るぞ」とか、そんなことを言っていたら、次の日にそいつは昨晩のできごとを病院側に言い付けて、病室を移っちゃった。僕たちのところには婦長さんみたいな人が来て、「何てことをやっているの、あんたたちは」なんて、めちゃくちゃ怒られた。

何と言うか……。

:それで入院中は、腹が減って腹が減って、耐えられないわけ。それでさ、お見舞いでもらった金封があったから、これで寿司の出前を取ろう、ということになって。ただ、その寿司をどこに届けさせるか、ということが問題だったんだよ。

婦長さんの気持ちがよく分かります。で、どこに届けてもらったんですか。

:「D病院の玄関前に置いておいてくれ」と伝えて、僕たちは上の病室から玄関を見張ることにした。出前が来たら、上級生が一番動けるやつに「すぐ行けっ」と命令するの。そうすると、そいつが車いすで、ばーっと駆けつける、と。

初耳です。まだ、こんな話があったんですね。

小田嶋:入院って、そういうことがないとだめになるよね。

なりません。

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