忙しい時間帯はどこ?
ただ、ギャップが現実の忙しさと食い違う部分もある。他部署の応援、あるいは他部署からフロントの応援に来てもらうこともあるからだ。そこでギャップが生じた部分については、実際にどのような働き方だったのかを、先ほどの図1と照合し、確認する。
石和健康ランドでは毎朝これらの図などを使い、前日の働き方を振り返っている。
人手が足りなかった時間帯があり、それが残業につながったのだとすれば、どうすれば改善できるか。例えば、忙しい時間帯に人員を厚めにするシフトが組めないか。他部署から応援を頼めないかなどを検討し、実行に移していく。
逆に人が余っている場合は、受付カウンターを1カ所閉鎖し、浮いた1人が休憩時間や会議資料の作成時間に充てれば、結果的に残業を削減できる。他部署の応援に回り、他部署の労働時間を減らすという働き方もできる。
「私も含め、社員は『とにかく忙しい』という曖昧な言い方をしなくなり、『午後5時から7時の時間帯にあと1人欲しい』と具体的な議論ができるようになった」と、荒井総支配人は変化を語る。
フロントは「2人減」
一方、月ごとの検証もする。それが図3だ。

横軸に総入館者数、縦軸に実働時間を取り、1日ごとに値をプロットする。実働時間とは他部署の応援時間を差し引いた、フロント業務の正味の時間だ。
総入館者数が増えれば、実働時間もそれに比例して増える。ただそれは理論値で、実際にはきれいに分布しない。

仮に比例していれば、図3で示した赤線の近辺に多くの点が集まるが、外れた点もある。そこに人員余剰の可能性が潜んでいる。
例えば「来館者数が少ないときは人員が多すぎる傾向がある」といったことが分かる。そんなときはシフトの組み方などを根本的に見直すことを検討する。
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