製造業とは別のアプローチが必要

お客が途切れないような混雑した状況でもない限り、ただ作業時間を短くしただけでは時短は進まない。

内藤:リードタイムを短縮することは、製造業にとっては直接的な意味がありますが、サービス業ではケース・バイ・ケースです。「作業時間」と「労働時間」は違う。

 作業を効率化するなら、短くした時間で他に何かをしないと、手待ち時間を増やすだけです。

 接客などの削ってはいけない作業時間もあり、内容の見極めが必要です。時間をかけて丁寧に接客すれば売り上げ増も見込める。単なる効率ではなく、時短と顧客満足度向上を両立するという考え方をすべきです。

 サービス業で時短を進めるには、製造業とは別のアプローチが必要です。逆にサービス業のアプローチは、多品種少量化が進む製造業にそのまま生かせるはずです。ですから、サービス業で時短を進める方法を議論することは、とても意義が大きいと考えています。

労働時間を短縮すれば、採用もしやすくなります。

内藤:結局、やはりいい労働条件の会社にいい人が集まってくる。この現実をやはり我々がしっかり受けとめていくしかありません。

 飲み会でコミュニケーションを深めたり、経営理念を定めて良い会社を目指したりすることは大切です。ただそうしたからといって、いい社員を集められるのかというと、そうではないと思います。

 人手不足の解決には、まず最初に労働条件をよくしていくしかないと思っています。労働条件が整って初めて、やりがいや優れた経営理念を考えられるのです。

(この記事は「日経トップリーダー」2017年5月号の特集の一部を再編集したものです)