サービス業の経営者が考えなければならないことはたくさんありますね。

内藤:製造業の生産性向上の最先端を走るトヨタ生産方式は、あまり知られていませんが、サービス業の仕組みをヒントに発展しました。「ジャスト・イン・タイム」はスーパーマーケットにおいて、お客さんが必要とする商品を、必要なときに、必要な量だけ品ぞろえしていることに着目したんです。

 事実、トヨタ生産方式の生みの親である大野耐一さん(旧トヨタ自動車工業元副社長)は、前工程はスーパーの役割を果たすべき、と唱えました。後工程の従業員がスーパーに買い物に行くような感覚で、必要な部品を、必要なときに、必要な量だけ、前工程に取りに行く態勢を整えたのです。

サービス業から「第二次生産性革命」が始まる

 つまりトヨタ生産方式では、売れるスピードで車を製造することを目指し、その現場ではサービス業のように「生産と消費の同時性」を実現しようとしているのです。こうした取り組みに、本家のサービス業が学ばない手はありませんが、それはサービス業が単に製造業に近づくということではありません。

 トヨタ生産方式がサービス業からヒントを得たということは、サービス業がよりサービス業らしくすることで、トヨタ生産方式を超える生産性向上の方法を確立し、それが製造業に再び波及していくということもできるんです。これが、サービス業から始まる「第二次生産性革命」なのです。

(聞き手は、日経トップリーダー副編集長・北方雅人)

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