日経ビジネス賞は独自通貨導入のディスコ
日経BP、そして日経ビジネスが50周年を迎えるにあたって、大賞以外のカテゴリーを刷新した。ビジネス全般を対象にした「日経ビジネス賞」、技術分野にフォーカスした「日経 xTECH(クロステック)賞」、マーケティング領域に特化した「日経クロストレンド賞」をそれぞれ新設した。

「日経ビジネス賞」に選ばれたのが、半導体製造装置大手ディスコの関家一馬社長CEO(最高経営責任者)。独自の社内通貨「Will(ウィル)」を使ったユニークなマネジメント手法を導入。社員一人ひとりが社内通貨を持ち、社内通貨で仕事に価格を付けて公募・オークションでやる人を決める。収支は賞与に反映するなど、徹底した仕組み作りで、「働き方改革」が叫ばれる中で社員のやる気を引き出す環境を構築した点が評価された。
ビジネス領域全般では、「日経ビジネス50周年特別賞」として印刷・物流のシェアリングビジネスを手掛けるラクスルの松本恭攝社長CEOを選んだ。シェアリングエコノミーの考えを印刷業界に持ち込み、稼働率の低い印刷機を持つ印刷会社とユーザーをマッチング。ユーザーは印刷コストを削減できるだけでなく、印刷会社の設備稼働率も高まるという「Win-Win」のビジネスモデルを構築した。
技術分野にフォーカスした「日経xTECH賞」には島精機製作所の島正博氏を選定。ニット商品1着を立体的に編み上げる「ホールガーメント」と呼ぶ技術を開発し、「マスカスタマイゼーション」を容易にする点が評価された。
マーケティング領域に特化した「日経クロストレンド賞」は、動画サイト「YouTube」内で活動するVTuber(バーチャルYouTuber)のキズナアイさん(代理人はActiv8の大坂武史代表)。2018年のVTuberブームの立役者であり、現在は組織の広告塔やタレント、キャラクタービジネスの新展開など、新たなビジネスチャンスとして様々な企業や自治体から注目を集めている。
