ロイター通信は9日、鉄道車両メーカー世界最大手の中国中車(CRRC)がワシントンDCの地下鉄プロジェクトへの入札を計画していると報じた。プロジェクトは5億ドル規模。CRRCはここ数年、ボストンやフィラデルフィア、シカゴ、ロサンゼルスのプロジェクトでも、ライバルのカナダ・ボンバルディアに入札価格で大差をつけて契約を勝ち取っている。米国には乗客向け鉄道車両を提供する企業がないが、CRRCの狙いがやがて貨物にも及ぶのではないかと米国の貨物メーカーが戦々恐々とし始めた。「中国の企業に鉄道を任せれば、自動運転時代に遠隔で操られるなどやがて安全性の問題が出てくる」とロビー活動を展開するも、CRRCの勢いは止まらない。米中の貿易摩擦が世間を騒がせているが、そんな影響などものともしていない。