多くの企業が株主総会を控える5月下旬、人工知能(AI)開発のエクサウィザーズが、米オープンAIの生成AI、ChatGPTを使って株主総会などの想定問答を作成できるサービスの提供を始める。投資家向け広報(IR)だけでなく、法務や経理、広報など多くの部門が携わり、作業量も膨大な総会の準備作業の効率化に、生成AIで切り込んでいく。

 「想定質問の洗い出しは4月ごろから着手している」──。

 6月末に株主総会を控える都内の大手企業で、投資家向け広報(IR)に携わる担当者はこう漏らす。法務部や経理部、各事業部門とのやり取りを数カ月間重ねながら、総会で株主から問われそうな内容やその回答案を練っていく。資料は数百ページに及ぶ場合もあり、時間や労力は小さくない。

株主総会の想定問答をAIが考える時代に(写真:PIXTA)
株主総会の想定問答をAIが考える時代に(写真:PIXTA)

 多くの企業が直面するこうした課題に、生成AIのChatGPTが活用され始めている。AI開発のエクサウィザーズは5月下旬、ChatGPTを使って株主総会や決算説明会などの想定問答を生成するサービスの試験提供を始める。

 このサービスでは、ChatGPTのアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API:連携機能)を活用。決算短信などのIR資料をアップロードすると、それに基づいて想定質問と回答を生成する。例えば「事業Aの売上高が前期比で減少したのはなぜか」といったような文章で、その根拠とした部分も表示可能だ。一連の操作は数十秒で完了する。

 上場企業では四半期業績の開示のほか、投資家との対話の重要性も高まっていることもあり、IR部門の負担は大きくなる傾向にある。一方で「専任者がいない企業も多く、属人的な作業も多いため知見がたまりにくい」(エクサウィザーズ)という課題があり、生成AIによって効率化できる余地が大きいと見る。

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