AIチャットボット「ChatGPT」の利用者がわずか2カ月で1億人を突破した。史上最速で広がるこのサービスに対して、米グーグルは「非常事態」を宣言して警戒モード。早速、新サービス「Bard」を発表して巻き返しを狙う。目まぐるしい技術開発に矢継ぎ早な新機能投入──。ChatGPTの衝撃度を見極めなければ、あっという間にビジネス面で出遅れそうだ。

 対話型AI(人工知能)である「ChatGPT(チャットGPT)」の勢いが止まらない。スイスの投資銀行であるUBSは2月1日に発表したリポートで、ユーザー数が1月31日時点で1億2300万人に達したと推定した。ChatGPTの公開は2022年11月30日で、わずか2カ月間の出来事だ。人気の動画SNS(交流サイト)「TikTok」でさえ、ユーザー数が1億人を超えるのに9カ月、写真共有アプリ「インスタグラム」は2年半を要したという。

 UBSは「これほど速いペースで拡大した消費者向けアプリケーションは、過去20年間で記憶にない」と分析した。世界中が熱狂し、大きなうねりとなったこのサービスの本質はどこにあるのか。

グーグルはChatGPTを警戒する(写真:SOPA Images / Getty Images)
グーグルはChatGPTを警戒する(写真:SOPA Images / Getty Images)

 AIベンチャーである米オープンAIが公開したChatGPTは、様々な質問に答える対話型のAIだ。英語だけでなく日本語にも対応し、2月7日時点で機能の大部分を無料で利用できる。ブラウザーでChatGPTのウェブサイトを開き質問をテキストで打ち込むと、AIがその回答をテキストで記述する。チャットのようにその回答に続けて質問することもできる。

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