コニカミノルタ路線の最高峰
石塚:08年に、フルサイズのCMOSセンサーを搭載した「α900」という、本格的な一眼レフカメラのハイエンドモデルを出します。

これはちょっとだけ覚えています。イメージセンサーのサイズも画素数も、23年現在で見ても一線級で、改めてびっくりしました。
石塚:従来路線の最高峰を目指したモデルですね。おっしゃるとおり、気合を入れた本格派のカメラですが、残念ながら、これも売れませんでした。
……。
石塚:それで09年に、「ソニーでやるんだったら、やっぱり電子化をどんどんしていこう」ということで、ミラーボックス(ミラーとその跳ね上げ機構)を取り去って、固定式のハーフミラーを入れたモデルを何モデルか出します。
僕らは「トランスルーセントミラー」と呼んでいたんですけれども、普通の一眼レフはレンズから入ってきた光を、ミラーで90度反射して光学ファインダーで見ますよね。シャッターを切るときにぱたっとミラーが跳ね上がって、イメージセンサーに直接光が入る。この、ミラーをばたばた動かす機構が大きくて重くて、結構大変なんですよね。可動部なので耐久性の問題もあるし。
そこで、複雑で重たいミラーボックス機構を取り去って、光を反射するところにトランスルーセントミラーという、光を透過するミラーを入れました。ミラーといっても、実際は薄い膜なんですけれども。これによって、レンズから来た光を、イメージセンサーとオートフォーカス(AF、自動焦点)センサーに行く光に同時に分けるんです。そしてイメージセンサーから得た画像を電子ビューファインダーに映す。こうすることで、常にAFセンサーに光が届きます。本体も軽くなり、高速で連写ができて、耐久性もある。これを最初に採用したのが、「α55」と「α33」です。

こんな面白いのを出していたんですね。デジタル一眼レフとミラーレスの中間みたいな感じです。
石塚:ご記憶にないですか。
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