「これほど現場を重視する大企業のトップは珍しい」(経済産業省幹部)。周囲からそう評される楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は、フットワークの軽さで多くの規制をクリアしてきた。その個性やリーダーシップが注目されがちだが、実際の活動はとても地味だ。旧習に挑んで事業を新たなステージに乗せるための取り組みを積み重ねてきた。

楽天グループががん治療事業に突き進むきっかけになったのは、三木谷氏の肉親を襲った病だった。経済学者だった父・良一氏が2012年秋に膵臓(すいぞう)がんと診断されると、三木谷氏はプライベートで国内外を飛び回り治療法を探した。
たどり着いたのが、オバマ米大統領(当時)が12年の一般教書演説で紹介したばかりの「光免疫療法」。三木谷氏は、開発と実用化のライセンスを独占していた米アスピリアン・セラピューティクス(現楽天メディカル)に個人で出資した。
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