逆境の中で迎える2023年は日本の産業界にとってどんな年になるのか。担当記者による主要業種の近未来予測。今回はネット・メディア業界と通信業界にフォーカスする。22年、逆風に見舞われた米テック大手5社「GAFAM」の反転攻勢はあるのだろうか。

■連載ラインアップ
大胆予測2023:台湾有事に備えよ 兵糧攻めで日本に打撃
米国と中国の巨大戦力が対峙 日本揺るがす台湾有事の最悪シナリオ
ウクライナがロシアに勝つ エモット氏「プーチン氏の権力の最後」
油断できぬ為替、1ドル=150円が日常に 日本に構造的な売り圧力
踊らぬ消費、値上げと賃金伸び悩みの板挟み 力不足のインバウンド
テック業界浮上せず 高成長神話陰りバブル崩壊、株価「二番底」も
米中の弱体化で混沌の時代へ ブレマー氏「日本の利上げは難題」
自動車:造れば売れる市場に景気後退の影 それでも進むEVシフト
電機:家電値上げで問われる付加価値 半導体は調整局面も投資堅調
・ネット・通信:GAFAMは縮小均衡へ 楽天モバイルの正念場続く(今回)
小売り:値上げラッシュが個人消費に影 宅配サービスで陣取り合戦
外食・飲料:飲食店に優勝劣敗の荒波 一部は「協力金でふぬけに」
航空・鉄道・ホテル:脱コロナで回復も景気変調や人手不足に不安

2023年はこうなる!
  • ・米テック大手が人員削減進める
  • ・新潮流メタバースにブレーキも
  • ・SNSの利用時間伸びず、「時間争奪」激しく

 2023年は米アルファベット(米グーグルの親会社)や米アマゾン・ドット・コムなど「GAFAM」が拡大路線を修正し、縮小均衡へ向かう動きを続けるだろう。

 新型コロナウイルス禍を経て、EC(電子商取引)をはじめ暮らしや経済のデジタル化が加速するとにらんだ各社は、事業拡大のための人員確保を競い合った。しかし、この流れが一転している。

 22年7~9月期の決算において、GAFAMの5社のうち、米アップルを除く4社の純利益が約10~50%減った。ウクライナ危機に伴うインフレーションや米国の金融引き締めなどが響いた。この結果、各社が人件費の削減に動いた。

サービス開発に遅れも

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り3698文字 / 全文4621文字

日経ビジネス電子版有料会員なら

人気コラム、特集…すべての記事が読み放題

ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「大胆予測2023~リスクはどこに」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。