2023年の日本経済を巡ってビジネスパーソンが押さえるべき悲観の「リスクシナリオ」。今回はインフレとそれに伴う実質賃金の低下という逆風に直面する個人消費を取り上げる。経済のエンジンに火は着くのか。
■連載ラインアップ
・大胆予測2023:台湾有事に備えよ 兵糧攻めで日本に打撃
・米国と中国の巨大戦力が対峙 日本揺るがす台湾有事の最悪シナリオ
・ウクライナがロシアに勝つ エモット氏「プーチン氏の権力の最後」
・油断できぬ為替、1ドル=150円が日常に 日本に構造的な売り圧力
・踊らぬ消費、値上げと賃金伸び悩みの板挟み 力不足のインバウンド(今回)
・テック業界浮上せず 高成長神話陰りバブル崩壊、株価「二番底」も
・米中の弱体化で混沌の時代へ ブレマー氏「日本の利上げは難題」
・自動車:造れば売れる市場に景気後退の影 それでも進むEVシフト
・電機:家電値上げで問われる付加価値 半導体は調整局面も投資堅調
・ネット・通信:GAFAMは縮小均衡へ 楽天モバイルの正念場続く
・小売り:値上げラッシュが個人消費に影 宅配サービスで陣取り合戦
・外食・飲料:飲食店に優勝劣敗の荒波 一部は「協力金でふぬけに」
・航空・鉄道・ホテル:脱コロナで回復も景気変調や人手不足に不安
日銀が「安定目標」として掲げてきた物価上昇率2%。その壁を、いとも軽々と上回った──。
2022年10月の消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く)は前年同月比で3.6%上昇。約40年8カ月ぶりという記録的な伸び率となった。ただ、経済成長とともに物価が上がってきた40年前とは状況が大きく異なる。資材の高騰や円安の進行といった外部環境の影響を受け、食品やエネルギーの分野で価格転嫁が急速に進んでいるのだ。
空前のコスト高に、多くの企業は自助努力で立ち向かおうとした。しかし、それもままならない状況になり、価格改定の波が押し寄せている。

値上げラッシュに賃上げ追いつかず
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この記事はシリーズ「大胆予測2023~リスクはどこに」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
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