2023年の日本経済はお世辞にも明るいとは言えない。為替の円安、インフレと消費停滞、テックバブルの崩壊……。ビジネスパーソンが押さえるべき悲観の「リスクシナリオ」を見ていこう。今回は22年に大きく動いた為替相場を取り上げる。

■連載ラインアップ
大胆予測2023:台湾有事に備えよ 兵糧攻めで日本に打撃
米国と中国の巨大戦力が対峙 日本揺るがす台湾有事の最悪シナリオ
ウクライナがロシアに勝つ エモット氏「プーチン氏の権力の最後」
・油断できぬ為替、1ドル=150円が日常に 日本に構造的な売り圧力(今回)
踊らぬ消費、値上げと賃金伸び悩みの板挟み 力不足のインバウンド
テック業界浮上せず 高成長神話陰りバブル崩壊、株価「二番底」も
米中の弱体化で混沌の時代へ ブレマー氏「日本の利上げは難題」
自動車:造れば売れる市場に景気後退の影 それでも進むEVシフト
電機:家電値上げで問われる付加価値 半導体は調整局面も投資堅調
ネット・通信:GAFAMは縮小均衡へ 楽天モバイルの正念場続く
小売り:値上げラッシュが個人消費に影 宅配サービスで陣取り合戦
外食・飲料:飲食店に優勝劣敗の荒波 一部は「協力金でふぬけに」
航空・鉄道・ホテル:脱コロナで回復も景気変調や人手不足に不安

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 2022年10月21日に外国為替市場で付けた1ドル=151円という32年ぶりの円安は、日本経済にとって衝撃的な出来事だった。円安は輸出企業の業績にはプラスだが、食料やエネルギーなどのコストは上昇し、輸入企業や家計には足かせだ。足元(12月21日)では132円前後と、日銀によるサプライズ的な政策の微修正をきっかけに日米金利差が縮小したことで円高に転じたようにもみえるが、23年に向けて再び円安が進み「1ドル=150円時代」が訪れる可能性はなお残る。

 「従来1ドル=100~120円だった円相場の変動域が、120~140円や130~150円にスライドしている可能性は高い」。みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミストは指摘する。唐鎌氏が背景として挙げるのは「貿易黒字の消滅と対外直接投資の急拡大」だ。日本貿易会によると、22年度の貿易赤字(通関ベース)は20兆4560億円と比較可能な1979年以降で最大になる見通し。2023年度も13兆5540億円の赤字になると予測する。

みずほ銀行の唐鎌氏は円相場の変動域が120~140円や130~150円にスライドしている可能性を指摘する(写真:ロイター=共同)
みずほ銀行の唐鎌氏は円相場の変動域が120~140円や130~150円にスライドしている可能性を指摘する(写真:ロイター=共同)

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この記事はシリーズ「大胆予測2023~リスクはどこに」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。