2022年2月にロシアがウクライナに侵攻し、両国の攻防が今なお続いている。ロシアから欧州へのガス供給の縮小を受けて、エネルギーインフレが欧州経済を苦しめている。戦争は終結するか。国際ジャーナリストのビル・エモット氏に聞いた。
(聞き手はロンドン支局・大西孝弘)
■連載ラインアップ
・大胆予測2023:台湾有事に備えよ 兵糧攻めで日本に打撃
・米国と中国の巨大戦力が対峙 日本揺るがす台湾有事の最悪シナリオ
・ウクライナがロシアに勝つ エモット氏「プーチン氏の権力の最後」(今回)
・油断できぬ為替、1ドル=150円が日常に 日本に構造的な売り圧力
・踊らぬ消費、値上げと賃金伸び悩みの板挟み 力不足のインバウンド
・テック業界浮上せず 高成長神話陰りバブル崩壊、株価「二番底」も
・米中の弱体化で混沌の時代へ ブレマー氏「日本の利上げは難題」
・自動車:造れば売れる市場に景気後退の影 それでも進むEVシフト
・電機:家電値上げで問われる付加価値 半導体は調整局面も投資堅調
・ネット・通信:GAFAMは縮小均衡へ 楽天モバイルの正念場続く
・小売り:値上げラッシュが個人消費に影 宅配サービスで陣取り合戦
・外食・飲料:飲食店に優勝劣敗の荒波 一部は「協力金でふぬけに」
・航空・鉄道・ホテル:脱コロナで回復も景気変調や人手不足に不安

ウクライナ戦争の行方をどのように予測しますか。
ビル・エモット氏(以下、エモット氏):私の主な予測では、ウクライナが多くの領土からロシアを追い出すことに成功するでしょう。それがロシア軍の崩壊につながり、その結果として、モスクワの政権内部が深刻な緊張状態に陥る可能性があります。
ですから、この戦争でウクライナが勝利するというのが私の予想です。しかし、どのくらい早く起こるのか、どのような結末になるかは予測できません。ウクライナが勝つ可能性が非常に高いと考えるのは、西側諸国からの武器供与が2023年も継続されると思うからです。これを疑う理由はありません。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り3266文字 / 全文4112文字
-
「おすすめ」月額プランは初月無料
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
日経ビジネス電子版有料会員なら
人気コラム、特集…すべての記事が読み放題
ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題
バックナンバー11年分が読み放題
この記事はシリーズ「大胆予測2023~リスクはどこに」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?