関心が強いテーマは複数の本を読む
4番目が「関心が強いテーマは複数の本を読む」ことです。ゲイツはあるテーマに強い関心を持った場合は、関連するさまざまな書籍を読もうとする傾向があります。
例えば、ゲイツは貧富の格差に強い関心を示しています。『天才読書』で詳しく紹介していますが、フランスの経済学者で経済的不平等の専門家であるトマ・ピケティの『21世紀の資本』に加えて、ノーベル賞経済学者で貧困問題に詳しいアビジット・バナジーや、格差と健康を結びつけた研究で知られる経済学者のアンガス・ディートンの書籍も読んでいます。
さまざまな専門家の書籍を読むことで、それぞれの意見の違いを知り、可能な限り深く理解する。全体像をなるべく把握したうえで、自分の考えや意見をはっきりさせるような姿勢を持っています。これは研究論文を書く際のアプローチにも似ています。さまざまな論文や書籍を読み込み、関連する情報をリサーチしたうえで、自分の意見をまとめていくようなものです。
5番目が「本を読んで考えたことをアウトプットする」ことです。ゲイツは自身のブログで、自分が読んだ数多くの本に関する書評を執筆しています。良い書評を書くためには、読み手が本の内容を深く理解していることがもちろん不可欠です。
ゲイツの書評が優れているのは、本の魅力を伝えるだけでなく、自身の幅広い知識を活かして、課題点も指摘するケースが目立つことです。ここは同意できるが、その部分は間違っているといったふうに、自分の意見を明確に述べています。読書によって得た情報を鵜呑みにせず、批判的な思考を常に持っているところがゲイツらしいといえます。
本を漫然と読んでいると、面白いと感じる部分があっても、読み終わると「結局、何が良かったんだっけ」と頭に残っていないことが少なからずあります。それを避けるために、私は読書の際に面白かった部分には必ず付箋を付けることにしています。付箋が多く付いた本は感動や気づきが多い良書なので、特に印象に残った言葉を抜き出して「Word」などの文書作成ソフトウエアで入力して保存しています。そのうえで時間があるときになるべく書評のような形で文章にしてアウトプットしています。
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