クルマ社会の沖縄では、観光客の足の多くをレンタカーに頼っている。しかし新型コロナウイルス禍の影響でレンタカー業者が減車を余儀なくされたため、2022年に入ると観光客数の戻りに対して台数が不足。旅行そのものを取りやめるケースが続出した。長期的には、大都市圏に住む若者のクルマ離れも深刻な影響を与えかねない。地域の高齢者の足も含めて、公共交通をどうしていくべきか再検討を迫られている。

 沖縄は旅行先として若者世代から選ばれなくなっているのではないか――。そんな危機意識が観光業の関係者の間で急速に広がっている。発端となったのは、沖縄振興開発金融公庫(沖縄公庫)が2022年6月に公表した調査リポート。Z世代と呼ばれる18~25歳の若者にアンケート調査したところ、「運転免許を持っておらず、レンタカーを利用することはない」と回答した割合が31.6%に上った。都市部で進む若者のクルマ離れが反映された形だ。さらに、そう回答した人の64.3%が、「当分の間沖縄へ旅行することはないと思う」と回答した。

 戦後、米国統治下でクルマ社会化が進んだ沖縄には、03年に開業した沖縄都市モノレール(ゆいレール)を除いて鉄道はない。住民はマイカー移動が中心で、路線バスの利用者も年々減少。公共交通が細るなか、観光客はレンタカーを利用しなければ観光スポットを周遊できない。

沖縄はクルマ社会。観光客の移動手段はもっぱらレンタカーだ
沖縄はクルマ社会。観光客の移動手段はもっぱらレンタカーだ

 沖縄県の「観光統計実態調査」によれば、20代のレンタカー利用率は13年以降、70%台半ばで横ばいが続く。一見、若者のクルマ離れの影響はないように思えるが、リポートをまとめた沖縄公庫 調査部 地域連携情報室の伊東祥子上席調査役は「運転免許を持たない若者は、そもそも沖縄に来ていない可能性がある。沖縄の観光は40代以上のリピーター層に支えられており、20代は伸び悩んでいる」と指摘する。

 観光の足をレンタカーに依存する沖縄では今年、もう1つ大きな問題が発生した。レンタカー不足だ。

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