「山原(やんばる)」と呼ばれる沖縄本島北部で、2025年以降の開業を目指してテーマパーク構想が進んでいる。手掛けるのは、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)を再建した実績を持つ森岡毅氏。低賃金という日本の観光業が抱える大きな課題を解決する場として、貧困問題が顕著な沖縄を選んだ。

 子供を観光産業で働かせたいと思う親は、わずか12.3%――。沖縄県が22年8月に公表した「沖縄観光に関する県民意識の調査結果」からは、沖縄経済が観光業に依存している一方で、就業の場としての観光業には厳しい目線が注がれている現状が浮き彫りになった。

 新型コロナウイルス禍より前の19年度の調査では20.2%だったので、観光業に打撃を与えたコロナ禍による影響は少なくないだろう。ただそれ以前に、観光業は仕事がきつい割に賃金が安いという認識が浸透してしまっている。

 そんな現状を打破しようとしているのが、USJを再建した森岡毅氏が率いる刀(大阪市)だ。森岡氏はUSJ時代、沖縄本島の北部に第2テーマパークを造るプロジェクトを進めていた。ところが15年に親会社が米ケーブルテレビ大手のコムキャストになったことで方針が変わる。グローバル戦略では、国内に2つ目のテーマパークを造るよりも、成長著しいアジアの別の国に施設を造ったほうが合理的と考えられたからだ。USJのヒットメーカーだった森岡氏にとっては、大きな挫折だったという。

 16年にUSJを退社し、17年に刀を立ち上げた森岡氏は、沖縄でのテーマパーク構想に再度挑む。マーケティングのプロをそこまでかき立てるものは何なのか。

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