米投資ファンドのもと、経営再建を進めるオリオンビール(沖縄県豊見城市)。沖縄県内でのシェアは高いが、規模ではクラフトビールメーカーと同程度にすぎない。ソニー、リコーなどを経て2021年12月に社長兼執行役員社長CEO(最高経営責任者)に就任した村野一氏は、沖縄ブランドを前面に押し出したプレミアム路線で、国内外の販路拡大を目指す。
「コク」でも「キレ」でも、「うまい!」でもない。「世界に誇れる沖縄を、もうひとつつくろう。」と訴えるビールのテレビCMが、沖縄県内で盛んに流れている。オリオンビールが、22年10月25日に発売した「オリオン ザ・プレミアム」のキャッチフレーズだ。

大手4社に次ぐ、5番目のビールメーカーとして知られるオリオンビール。創業は1957年。米国統治下の沖縄で、経済復興のためには製造業が不可欠との思いから設立された。本土経済と切り離された特殊な環境下、沖縄でのシェアは8割超という圧倒的な地位を築いた。
72年の本土復帰後は大手4社が沖縄県に本格進出したが、県内の酒造業を保護するため、オリオンビールは酒税の軽減対象になった。沖縄県内向けに限り、通常よりも20%少なく済む。本来、5年間の時限措置のはずだったが、結果的に延長が重ねられて今に至る。
しかし復帰50年を機に、ついに軽減措置の終了が決まった。軽減率は2023年10月以降は15%に縮小し、26年9月末で廃止に。大手4社と対等に戦わなければならなくなる。
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